音声アシスタント「Bixby」の能力は未知数
徹底レビュー:「Galaxy S8」、“ほぼベゼルレス”な縦長ディスプレイのインパクト(2/3 ページ)
ディスプレイとオーディオ
Galaxy S8の見た目が非常に良い理由の1つは、5.8型の美しいAMOLED曲線型ディスプレイにある。そして、曲線型のInfinity Edgeディスプレイの次に目を引くのは、18.5:9という画面比率だ。当初、筆者は、この縦長のアスペクト比により画像や動画がゆがんで表示されることを懸念していた。だが、そのような事象が見られることはなく、Galaxy S8ではあらゆるものがディスプレイのサイズに合わせて適宜調整された。特筆すべきは、拡大した状態と標準の18.5:9の状態を簡単に切り替えられることだ。事実、縦長のディスプレイは、多くの場面において、プラスに働くことが分かった。特にWebページの表示は申し分ない。追加の画面領域により、スクロールの必要性が大幅に低下し、読みやすさが格段にアップする。
ディスプレイは幾つかの興味深いデザイン要素を備えているだけではない。その表示の美しさは、他のスマートフォンと一線を画している。3Kの解像度(2960×1440p)で570ppiという圧巻のピクセル密度が実現されていることから、Galaxy S8のディスプレイは、市場でトップクラス製品の1つとなっている。画像は鮮明に表示され、豊富で忠実な色のコントラストにより、メディアは実物と見間違えるほどだ。高解像度の動画の視聴であれ、画像の閲覧であれ、お気に入りのゲームのプレイであれ、Galaxy S8では、どんな操作でも全てが素晴らしい状態で表示される。
Galaxy S8は、HDR(High Dynamic Range)と互換性がある。だが筆者は、この互換性について最初から期待するものではなく、将来を保証するためのものだと考えている。HDRという用語になじみがない方のために説明しておこう。HDRは、ディスプレイのコントラストと色の両方の範囲を大幅に広げるために使用されるものだ。この機能は、素晴らしい機能であるように思えるかもしれない。だが、HDRには現在モバイルで利用できるコンテンツと互換性がないという問題がある。とは言うものの、この機能が搭載されていることはプラスに評価できる。コンテンツ開発者がHDRコンテンツをモバイルに配信すると決めたときに取り残されることがないからだ。
曲線型のディスプレイは美しいだけでなく、使いやすさも少なからず後押ししている。筆者がGalaxy S8で気に入っている機能の1つは、アプリや連絡先を素早く起動したり、画面の一部を簡単にキャプチャーしたりできるものだ。これらの操作は、ディスプレイ右側のエッジに沿ってスワイプするだけでいい。これらの機能を使えば、スマホライフはさらに快適になるだろう。だが、実際に使ってみるまで、これらの機能の優秀さを実感することは難しい。すぐに使えて柔軟性の高いクイック起動ウィンドウにより、ユーザーインタフェース(UI)は快適に操作できるようになる。それから、マルチタスクがもっと簡単にできるようになる。現在使用中のアプリの画面から離れることなく、別のアプリを起動したり、同僚に手短なメッセージを送信したりできるからだ。
Galaxy S8の下側面には1台のスピーカーが搭載されているが、このスピーカーは非常に堅実な作りになっている。最大までボリュームを上げれば、ある程度の大きさの部屋でも問題なく音を響かせてくれる。とは言うものの、音質は完璧というわけでない。最大までボリュームを上げると、特に高音に関しては安っぽい感じがした。だが、急場では、Galaxy S8のスピーカーは十分な実用性を備えている。ただし、オーディオファンを十分に満足させるレベルは期待しないで欲しい。
機能
Galaxy S8には、Googleの「Android 7.0 Nougat」が搭載されている。ただし、他のSamsungのスマートフォンと同様に、賛否両論のある同社固有のUIが組み込まれている。また、多数のSamsungのカスタムアプリを含め、多数のアプリがプリインストールされている。必要なアプリはインストールしたままにすれば良いが、無効化やアンインストールも可能だ。
左に向かってスワイプすると、「Hello Bixby」が起動する。これは、「Google Now」ランチャーに代わる機能としてSamsungが組み込んだものだ。Hello BixbyはGoogle Nowと同じように機能する。ユーザーの設定に基づいて詳細な情報を表示するカードが表示されるため、ニーズに合わせてアプリや機能に関連付けると良いだろう。例えば、いつも同じ道を通っている場合は、Hello Bixbyに最新の交通情報が表示されるかもしれない。
もちろん、Hello Bixbyはまだ実現していないもっと大きな仕組みの一部にすぎない。BixbyはGalaxy S8と同時にリリースが予定されていた本格的な音声アシスタントである。だが、そのリリースは2017年5月に延期されている。リリース時には、Bixbyは、Galaxy S8のさまざまな面と連動して、シンプルなコマンドを実行できるようになるといわれている。例えば、連絡先に登録されている特定の人に最近撮った写真を送ったり、時間と場所の両方を指定してリマインダーを設定したりすることができる。
Bixbyの音声アシスタントはまだリリースされていないが、「Bixby Vision」という機能がGalaxy S8と同時にリリースされている。だが、残念ながら、Bixby Visionは面白みに欠ける。Bixby Visionは基本的に、カメラでとらえた対象を画像認識して、Webを検索したり、購入の選択肢を提示したり、テキストを翻訳したりできるようにするモードだ。テキストを翻訳する精度は十分だが、リリース時点では、画像認識の精度にはムラがある。TechTargetが実施したテストでは、Bixby Visionは、認知度が高くない商品やテキストの記載がない商品を特定する作業が難航することが分かった。Bixby Visionが「Pinterest」など人気のあるデータベースの情報を使用していることを考えると、これは当然の結果であろう。ただし、最も有効であるはずの場面でBixby Visionが使えないのは残念だ。商品では、画像認識があまり重要視されていない。少なくともBixby Visionで取り組まれていることからは、そのような現状がうかがえる。
現時点においてGalaxy S8はスマートフォンの人工知能(AI)に革新をもたらしていないかもしれない。だが、Galaxy S8は、同機種を市場で最も機能豊富なデバイスたらしめているSamsungの主要機能を搭載している。「Always On Display」は、洗練されたデザインを備えて戻ってきた。星明りの夜空の背景など、少しカラフルな選択肢が用意されている。その他のお勧めの機能には、ジェスチャセンサー、高速起動カメラ、マルチウィンドウのサポート、スマートアラート、スマートステイがある。スマートステイは、Galaxy S8の顔認証ソフトウェアを使用して、画面を見ている間は、画面をオフにしないようにする機能だ。
多数の組み込み機能に加えて、Galaxy S8には「Samsung DeX Station」というオプションのデスクトップドックも用意されている。DeX Stationは、ホッケーのパックに厚みを持たせたような円盤形をしている。上部をスライドさせると蓋が開いて、USB Type-C端子が顔を出す仕組みになっている。DeX Stationにより、Galaxy S8はUSB 2.0端子、HDMI端子、イーサネットコネクタと格段に接続しやすくなる。ただし、DeX Stationは、Galaxy S8のアプリを大きな画面に映し出すだけではない。マウスとキーボードが完全にサポートされ、Galaxy S8に搭載されている主要アプリの多くはフルウィンドウをサポートするように変化する。つまり、Galaxy S8をDeX Stationに接続すると、フルサイズのウィンドウを使用してWebページを閲覧したり、文書処理を行ったりすることが可能になる。ただし、この使い勝手も安価で手に入るものではなく、DeX Stationの価格は150ドルと高額だ。
TechTargetが実施したテストでは、DeX Stationは申し分なく機能した。Galaxy S8を接続すると、互換性のあるアプリは単独のウィンドウモードで起動し、互換性のないアプリは単純にディスプレイに映し出される。ただし、スマートフォンを使用していることによる制限は依然としてある。Galaxy S8に搭載されているSnapdragon 835は、モバイルデバイスにとっては強力なチップセットである。だが、幾つものアプリを同時に起動すると完全にダウンしてしまう。DeX Stationは1台のデバイスで全ての作業を行いたいユーザーにとって優れたツールである。だが、そのようなユーザーがどれほど存在するかは分からない。
生体認証
Galaxy S8は、ほぼ全ての生体認証に対応している。一般的な指紋センサーだけでなく、顔認証と虹彩認証の機能も搭載している。奇妙な場所に配置されている点を除けば、指紋センサーは問題なく機能する。TechTargetがGalaxy S8をテストしているときに問題が発生することはなかった。また、顔認証の機能も申し分ない。ただし、顔認証を使用する場合は、あなたの写真を持っている人がGalaxy S8のロックを解除できる可能性があることに留意されたい。それから、虹彩認証は、顔認証よりも高いセキュリティが確保されるが、使用時には細心の注意を払わなければならない可能性がある。とは言うものの、TechTargetが虹彩認証を使用したときに問題が発生することはなかった。いつも問題なく認証されたため、お気に入りのセキュリティ生体認証機能となった。
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