用語解説
5分で分かる「GDPR」(EU一般データ保護規則)の基本
2018年5月末に発効するEU一般データ保護規則(GDPR)は、EU市民のデータを扱うあらゆる企業に影響を及ぼす。同法の内容と適用対象について解説する。
EU一般データ保護規則(GDPR)は、EU全域を対象とするデータプライバシー法。2016年4月14日に欧州議会で可決され、2018年5月25日に発効する。
GDPRは、1995年に制定されたEUデータ保護指令を置き換える形で、企業の透明性向上やデータ主体(情報が本来属する持ち主)のプライバシーの権利拡充に重点を置く。GDPRの適用対象は、「EU市民が生み出すあらゆるデータ」および「EU諸国に保管された個人データ」である。従って、EUに拠点を置かない企業も、EU市民からデータを収集する場合は、GDPRに従わなければならない。
同法は、企業に対して、ある個人を特定できる情報を本人の明確な同意なしに保存または使用することを禁じる。データ侵害(漏えい)を検知した組織は、その影響を受ける全ての人々および監督機関に対して、72時間以内の通知が必要になる。
データ処理やデータ主体の監視を大規模に実施する企業は、データ保護担当者(DPO)の任命を義務付けられる。DPOは、データガバナンスに責任を持ち、所属する企業のGDPR準拠を徹底する。2018年5月25日の発効後にGDPRに違反した企業は、最大2千万ユーロ(約2220万米ドル、日本円で約23億円)または前年度売上高の4%に相当する罰金を科される可能性がある。
GDPRがデータ主体に保証する主な権利
忘れられる権利 データ主体は、個人を特定できるデータを企業の記憶域から削除することを要請できる。
アクセスの権利 データ主体は、企業が保管しているデータ主体本人に関するデータを確認できる。
異議を申し立てる権利 データ主体は、データ主体本人の個人データを企業が使用または処理する許可を取り消すことができる。
訂正する権利 データ主体は、不正確な個人情報の訂正を求めることができる。
ポータビリティの権利 データ主体は、企業が所有するデータ主体本人に関する個人データにアクセスしてそれを転送することができる。
ヨーロッパ連合(EU)は、GDPRの公式ページ(英文)に詳細を記載している。
英国のEU離脱により、今後、同国のGDPR準拠に問題が生じる可能性を危惧する声もある。だが、英国企業はEU加盟国の顧客や企業との取引が多いため、EU離脱後もGDPRに準拠しなければならないことが予想される。
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