データの信頼性を追求することが重要
Gartnerがデータ活用と分析のリーダーに向けて発行した「4つの処方箋」(2/2 ページ)
多様化の促進
「あらゆる種類の多様性と包含性を確立することが正しいのではなく、データと分析プログラムの価値を拡大することが重要だ。それは、イノベーションを促し、アルゴリズムにおけるバイアスが最小限に抑えるためには不可欠だ」と主張するのは、Gartnerのビジネス分析およびデータサイエンス部門でリサーチディレクターを務めるカーリー・イドイン氏だ。
コンサルティング企業のMcKinsey & Companyから発表された2018年の報告書で、明らかになったことがある。経営陣の人種や文化的な多様性だ。経営陣の多様性の項目で上位4分の1に含まれる企業は、下位4分の1の企業と比べて収益性が平均以上になる割合が33ポイント高かった。また、Gartnerによる最新のビジネスインテリジェンス(BI)調査でも、多様性のあるチームの方がデータ分析戦略からより高い企業利益を上げていることが判明している。そう語るイドイン氏は次のように続ける。「多様性のあるチームの方が均一的なチームよりもパフォーマンスが高いことを示す調査結果はたくさんある」
採用活動を広げるもう1つの理由は、データ分析の人材不足にある。イドイン氏によると、これは深刻なギャップで、データ活用と分析のリーダーは性別や人種的な多様性の先を見越しておかなければならないという。
「率直に言って、採用活動では明るく、幸せそうな人物の方が好意的に捉えられる。全ての人がこうした枠組みに収まるわけではない。性別、人種、年齢、働き方、内向的、社交的など多様な人材でチームを作る必要がある。さらに、自閉症の傾向がある人々も必ず取り込む。そうすることで、パフォーマンスが非常に優れたデータ活用および分析チームを実現できる」(イドイン氏)
さまざまなデータソースと、多様性のあるチームが組み合わさることで、人間の偏見によってゆがんだアルゴリズムを生み出してしまう恐れも少なくなる。そう語るイドイン氏は、データサイエンティストのキャシー・オニール氏による破壊的なアルゴリズムへの取り組みに言及した。
複雑さへの対処
シュレーゲル氏によると、昨今の企業が必要とする多様なデータを扱うために欠かせないことがあるという。それは、データ活用と分析のリーダーが分析プログラムを拡大し、高速化することだ。
「アジャイルな創造性と企業のスケーラビリティ(拡張性)との間で理想的なバランスが取れたデータ活用および分析のプログラムを作成することが課題になる」と同氏は話す。これは、バイモーダルITや、従来のBIの取り組みで採用されているシーケンシャル(段階的)なアプローチでは実現できない。シーケンシャル型のアプローチでは仕事が完了してから次の専門家に渡される。
「こうした組み立てライン式のアプローチの効率は高い。だが、ニーズを満たせるほどの創造性や連携性はない」(シュレーゲル氏)
代わりに、分析企業は小規模な多数のチームを利用することで複雑な問題の解決を目指す必要がある。こうしたチームが低リスク、低コストのプロトタイプを構築できるようにする。「これは価値を拡大するクラウドソーシングの手法だ。こうすることで、企業が直面する複雑さが軽減され、強力で影響力の大きなことを実現する可能性が高まる」
データリテラシーの育成
運転免許証のない人が自動車で歩行者の横を高速で走り抜けることは許されない。「何の認定も受けていないユーザーがミッションクリティカルなデータにアクセスできることは常軌を逸していると思わないだろうか。映画『スパイダーマン』の中でベンおじさんが主人公に言ったように、大いなる力には大いなる責任が伴う」とイドイン氏は問い掛ける。
分析プログラムを拡大するには、企業はいわゆるシチズンデータサイエンティスト(本職ではないデータサイエンティスト)を一般従業員の中から採用する必要がある。さらに、専門家以外がビジネスの洞察を引き出せるように設計された自動化ツールを使用して、そうした従業員をサポートすることも求められる。だが、データにアクセスするために何らかの認定は欠かせないとイドイン氏はいう。「乗り物の種類が変われば、必要な免許証も変わる。同じように、多様なユーザー、一般消費者、シチズンデータサイエンティストに対し、さまざまな種類の教育、トレーニング、テストを用意することになる」
データリテラシーは、デジタル経済で目標を実現するためには不可欠だ。中世の修道士は、その日の情報を記録し、名著を書き写すという素晴らしい取り組みでデータリテラシーを保っていた。だが、技術の飛躍的進歩、つまり印刷機の登場により、大衆の間でもリテラシーが鍛え上げられた。
そのため、データリテラシーでも技術的なきっかけが必要だと同氏はいう。かつては分析の民主化に対する答えになると考えられていたデータ検出ツールは、手動部分が多過ぎることが判明している。代わりに、同氏が出席者に対して奨励したのは、Gartnerが提案する「Augmented Analytics(拡張分析)」を採用することだ。これはGartnerの説明によると、分析を通じて洞察を得る作業を自動化するために、機械学習や自然言語で拡張されたデータ検出ツールを使用することだという。自動化の後押しにより、ユーザーを信頼できるシチズンデータサイエンティストに変えることができる。これは、出席者がデータリテラシーの文化を作ることに前向きなことが前提だ。
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