ダイバーシティーとインクルージョンに注目
従業員エンゲージメントとは? 人事部門に必要な人材管理機能8選
人事部門は多くの役割を担っている。だが、人事部門が戦略を主導する場合、目を向けるべき重要な人材管理機能はたくさんある。
従業員の自己管理と健康維持ポータルだけではもはや足りない。もっと多角的な戦略が必要になっている。そのためには、人材に関する最も喫緊の課題に適切なテクノロジーを利用して取り組む必要がある。本稿では、現時点で最も重要と考えられる8つの人材管理機能を紹介する。
1.従業員のエンゲージメント、エクスペリエンスの定着
近年企業で最も重要性が高まっているのが、従業員エンゲージメント(組織への関わり)だ。従業員エンゲージメントを促進すれば、従業員の定着率、生産性、収益性も向上することが証明されている。全ての人材管理機能の中でも、従業員エンゲージメントはとりわけ他の主要人事機能と調和融合される。企業は、この機能を使って従業員のエクスペリエンス(体験)全体が向上する戦略、プロセス、プログラムを定義、導入する。その結果、従業員の参加を促し、動機付けを行い、貢献すれば報われるという実感を与える。
ただし、対象は従業員だけではない。
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企業の従業員を目指す候補者もエクスペリエンスの向上を支援する。求人活動として自社ブランドの売り込みから始まり、従業員に対し「この会社が素晴らしいという候補者がいる」というエクスペリエンスにつながる。
2.研修とキャリア育成
従業員のエンゲージメント促進に結び付くのが、研修とキャリア育成だ。特にミレニアム世代の従業員は、研修と教育を、キャリアを前進させる重要な要素と考えている。ミレニアム世代は、キャリア育成を雇用の必須側面と捉えている。そして、さらなるスキルの獲得と教育がその要となる。社内教育プログラムも、自己研さんに熱心な従業員には好評だ。
後継者育成プログラムを実施する企業は、次世代のリーダーを育てる育成と開発のプログラムが不可欠だと見ているようだ。
3.継続的な業績管理
従来型の業績管理は、近年批判を受けるようになっている。従業員の業績を測り、最大限のポテンシャルを絶えず引き出す方法としては、継続的な業績管理の人気が高まっている。
年間査定は通常、過去の業績に基づいて決める。だが、継続的な業績管理では随時フィードバックを実現する。つまり、従業員の業績を継続的に追跡し、年に一度か二度だけのフィードバックで従業員が自身のキャリアの軌道修正に奔走する事態を避ける。
4.人間分析
人事では、人間分析戦略の導入は、ワールドカップに勝利するぐらい難しいといわれる。どのチームにとっても夢だが、ほとんどのチームは実現できていない。人間分析では、従業員の傾向と特性への洞察を提供することで、人事プログラムにおける判断をより賢明かつ効果的にし、人事効果を高める。人間分析を利用して、偏見を取り除き、誤った意思決定を最小限に抑え、人材とその行動についての総合的な見解を得ることができる。
5.臨時労働者の管理
臨時労働者の活用は「ギグエコノミー」とも称され、21世紀の雇用では一般的になってきている。これは、短期業務用の人材を見つける手段、あるいは有用なスキルを身に付けた従業員が不足している場合に市場から人材を補強する手段を指す。臨時労働者の雇用と契約の多くは、調達部門が管理する。ただし、こうした労働力管理の一定の側面は人事部門の担当範囲になる。臨時労働者をチームに参加させ、必修の研修コースを割り当て、正規雇用の従業員に切り替えていく業務は、まさに、人事部門が管理プロセスや管理戦略を設けなければいけない分野だ。
6.AI、機械学習、ロボティクス
AI(人工知能)、機械学習、ロボティクス(ロボット工学)は急速に進化している。特にAIと機械学習は人事アプリケーションでも既に使用されている。チャットbotなどのさまざまな種類の機能はユーザーが使用するほど学習する、知能対話型の機能を既に追加しており、このテクノロジーの進化を実現することは、間違いなく現代の人事部門における最優先の人的資本管理機能の1つになる。
これらの機能を使用するソフトウェアを見極め、現在の使用状況を管理することで、従業員のエクスペリエンスに価値を加える。想定されるアプリケーションには、採用チャットbotや音声ユーザーインタフェースがある。こうした機能を利用して、休暇残日数や同僚が習得している特定のスキルに関する情報などを、従業員が人事ソフトウェアに質問できる。
7.ダイバーシティーとインクルージョン
現代の人事で話題の2つのトピックにダイバーシティーとインクルージョンがある。ダイバーシティーとは「多様性」のことでさまざまな人が働くことを示している。インクルージョンは「受領する」という意味で、一人一人が自分らしく働くことを示している。
この活動は平等性を高めるという思いを法的コンプライアンスと一体化させ、個々の社員が安心して自分らしく、互いの違いも尊重し、企業の成功に対して個人の貢献が認められていると実感できる場所に企業を変えていく。ダイバーシティーとインクルージョンは、こうした融合によって最も重要な人的資本管理機能の一部になっている。
また、ダイバーシティーとインクルージョンは、従業員に心身が健康であるという実感をもたらし、従業員エンゲージメントの促進を支援する。
8.データのプライバシーと保護
ヨーロッパ連合(EU)、ロシアや中国などのデータ主権法を施行している国々で事業を展開する企業をはじめとして、データのプライバシーと保護の重要性が増している。近年、EUで一般データ保護規則(GDPR)が施行され、EU域内の従業員を擁する企業では、特定のポリシーとプロセスを設け、データの収集、処理、格納、保管の点でどのように法律が適用されるかを理解する必要が生じている。企業とその従業員データを保護するために、データ保護の専任者を配置することが不可欠になっている。
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