流行から定着へ
「ハドルルーム」とは? 小さな会議室のメリットと設計方法
チームが異なれば、会議の種類も異なる。その結果、個々のコラボレーションのワークフローに合わせて小さな会議室をカスタマイズする必要が生じる。
ハドルルーム(少人数向け会議室)流行の波は、まだまだ押し寄せてくる。
かなり長い期間、ハドルルームはちょっとしたマーケティングの話題程度のものにすぎなかった。現在、中小企業や大企業は、短時間の作業セッション用としてスペースを活用することに価値とROI(投資対効果)を見出している。コラボレーション製品ベンダーは、この小さなスペースで自社の製品やサービスを利用してもらおうと市場に殺到している。しかし、これらの売り込み文句があふれる中、筆者は依然として基本的な質問を受ける。「ハドルルームとはどのようなものか」と。
しばしば組織は、ハドルルーム用にシンプルで汎用的に利用できるサービスを求める。この設定は、何百、何千ものハドルルームに対するサービスの迅速かつ簡単な導入をサポートすることだろう。ベンダーの視点から見ると、究極の目標は、汎用的に利用できるハドルルームキットを提供することだ。しかし残念なことに、ハドルルームでのエクスペリエンスの本質がこれを不可能にしている。
完璧なハドルルームとは、該当する特定のスペースを使用する作業チームの個別のニーズを満たすものである。
チームが最優先、スペースはその次
ハドルルームの長所は、始めにチームありき、次にスペースが考慮された作業用スペースである、ということだ。言い換えれば、多くの役員用会議室では通常、広さ、テーブル、座席およびAV機器に関して規定のテンプレートとまず一致させる。役員用会議室を作るには、このルームテンプレートから始め、部屋を作り、そしてその機能や設備についてユーザー教育を施すこととなる。
ハドルルームでは、反対のアプローチを取る。ワークフローの検討から始め、これをサポートできる部屋を作る。筆者が典型的なハドルルームを説明するよう頼まれた場合、筆者は相手に対し、そのスペースを利用するチームについての説明を求める。
例えば、それは6人のアプリ開発チームで、リーダーはスタンドアップミーティングを好むのか? 円卓会議で顧客情報の共有を好む4人の営業チームなのか? 7人中5人がリモートで電話をかけて仮想ワークスペースに情報を書き込む必要があるマーケティングチームなのか? などの質問を行うだろう。これらの質問は非常に重要だ。なぜなら、これら異なるチームには、同一のワークスペースは設計しないからだ。
もちろん、ハドルルームには共通の要素が幾つかある。だが、各要素が必要かどうかはチームによって異なる。チームが着席するタイプの会議を行うだけであれば、ホワイトボードを壁に取り付ける必要はない。全てのチームメンバーが同じ現場にいる場合は、リモートコラボレーションツールは必要ないだろう。
ハドルルームの共通要素
おそらく、どのハドルスペースにも必須の要素は、快適な椅子、Wi-Fi、パーソナルデバイスを充電するための電源だ。他の要素が必要かどうかは、グループのワークフロー次第である。しかし、多くのハドルルームは下記に述べるものを含む幾つかの共通要素を備える。
リモートコラボレーション
遠隔作業を活用し、それを促進するのが現在の傾向だ。その結果、多くのハドルルームでのセッションにはリモートワーカーが参加する。その彼らに、会議にただ耳を傾けてもらうことは望んでいないはずだ。彼らには十分に能力を発揮し、生産性を高めてもらいたい。そのためには、ビデオ会議や室内のコラボレーションツールへのリモートアクセスが必要となる。新しいソフトウェアビデオサービスと手頃な価格のハードウェアキットで、上述した程度のチーム内でのやり取りは対処できる。
ローカルの画面共有
クラウドのおかげで、ユーザーは日常的にパーソナルデバイス上に作業ファイルを保有している。ユーザーがこれらのファイルをチーム内で共有したい場合は、ワイヤレス接続の画面共有サービスが利用可能だ。一部のビデオ会議サービスでは、ローカルの画面共有オプションを提供している。これらのツールを使用すると、部屋内の誰もが自身のコンテンツを大画面に表示できるため、チーム全体での作業が可能となる。
スタンドアップミーティングのサポート
全てのチームがスタンドアップミーティングを実施しているわけではないが、スタンドアップミーティングはすでに普及し始めている。一般的なアジャイル・スクラム開発のミーティングでは、チームメンバーは立ったまま作業状況を簡潔に報告する。これらの会議は、チーム内で情報を共有するツールによって生産性を高めることが可能だ。単にホワイトボードさえあれば事が足りるチームもあれば、大きなタッチパネルを利用して大きなROIを見込めるチームもある。
基本的なアメニティーと快適さ
従業員はさまざまな異なる種類の会議に参加している。全ての会議が単なる進展状況の報告やリーダー主導のプレゼンテーションというわけではない。今日、チームは実務に有効なセッションを行う。従業員が生産的に働くことを望むなら、彼らに快適さと必需品を与える必要がある。パーソナルデバイスや部屋のあらゆる機器と接続できるWi-Fiは欠かせない。スペース自体は楽しいものでなければならない。チームが時間を気にしないで作業を行うことのできる場所だ。
ユーザビリティー
コラボレーション向け機器は、一般的なユーザーにとっては複雑過ぎるため、たびたび使われなくなってしまう。ハドルルームは実際に使用されることを目的としている。AV機器はAVに精通した者だけが使用すればよい、というものではない、全てのものはユーザーフレンドリーである必要がある。パーソナルデバイス上のアプリやタッチパネルで全てを制御できるのが理想的だ。分かりにくいリモコンは必要ない。
ユーザーは、1つのボタンに触れるだけでビデオ会議を開始できようになるべきだ。デバイスの自動ペアリングは、ローカルの画面共有をサポートする必要がある。ハドルルームには、ユーザー教育を必要とする分かりにくい周辺機器は必要ない。
ワークフローはどのようなものか?
結局のところ、ハドルルームは、チームのワークフローを物理的に明示したものでなければならない。「典型的なハドルルームはどのようなものか?」と尋ねることは「作業チームの典型的なワークフローはどのようなものか?」と尋ねるのと同じだ。答えは一つではない。
チームはさまざまな方法で会議を行い、仕事を終わらせる。各会議の種類に合わせて、それをサポートするよう個々にあつらえたハドルルームを作ることも可能だ。テンプレートなどは存在しないが、チームがコラボレーションをしたいと願う理想的な方法でコラボレーションできるスペースを設計すれば、ハドルルームの導入は成功するだろう。
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