Citrix、Microsoft、Parallels、VMware製品の機能を紹介
「仮想デスクトップ」をモバイルデバイスで利用 主要4ベンダーの機能を比較
従業員のモバイルデバイスから仮想デスクトップや仮想アプリケーションを利用できるようにしたい――。そう考えるIT担当者は、ベンダー各社が提供する機能について押さえておこう。
モバイルデバイスで仮想デスクトップや仮想アプリケーションを利用するための、さまざまな機能が各社から提供されている。モバイルデバイスの業務利用増加を受けた動きだ。この分野の最大手であるCitrix SystemsとVMwareはもちろんのこと、MicrosoftとParallelsもこうした機能を提供している。参入しているベンダーは他にもあるが、この4社の機能を見れば、この分野の概要と動向がよく分かる。
各社とも企業のモバイルニーズの把握に努め、デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化の市場で先頭の地位を守るために、新しい機能を投入している。本稿では、以下の主要4ベンダーが提供する機能を見ていく。
- Citrix(XenDesktop/XenApp)
- Microsoft(リモートデスクトップサービス)
- Parallels(Parallels Remote Application Server)
- VMware(VMware Horizon)
Citrix(XenDesktop/XenApp)
Citrixは同社の画面転送プロトコル「HDX」に、モバイル向け機能の「HDX Mobile」を追加した。HDX Mobileは、同社のデスクトップ仮想化製品「XenDesktop」やアプリケーション仮想化製品「XenApp」でホストする仮想デスクトップや仮想アプリケーションを、モバイルデバイスで利用可能にする。その他にも、カメラやGPS(全地球測位システム)、マルチタッチジェスチャー、慣性スクロールといったモバイルデバイス機能を利用できるようにする。
開発者向けの「Mobile SDK for Windows Apps」を使えば、Windowsアプリケーションのモバイルデバイス向け機能を強化し、Windowsアプリケーションのワークフローに電話とメッセージ送受信の機能を組み込んだりすることが可能になる。ネイティブモバイルアプリと同じような操作性を実現することも可能だ。
CitrixはAppleの「iOS」搭載デバイス、Googleの「Android」搭載デバイス、Windowsモバイルデバイス向けのクライアントソフトウェア「Citrix Receiver」も提供している。このCitrix ReceiverはHDX Mobileとの組み合わせで、モバイルデバイスで仮想デスクトップや仮想アプリケーションを利用できるようにする。同社製マウス「Citrix X1 Mouse」も利用でき、モバイルデバイスでデスクトップと同じような操作性を実現することが可能だ。
Samsung Electronicsのドッキングステーション「DeX Station」を使うと、同社のスマートフォン「Galaxy S8」「同S8+」「同Note8」をデスクトップPCのように使用できる。ドッキングしたSamsung製スマートフォンでCitrix Receiver for Androidを使用すれば、大きなモニター、フルサイズキーボード、デスクトップ用マウスを使って仮想デスクトップや仮想アプリケーションを操作できる。
Microsoft(リモートデスクトップサービス)
Microsoftはリモートデスクトップのためのクライアントソフトウェア「リモートデスクトップクライアント」をWindowsデバイスの他、iOSデバイスとAndroidデバイス向けにも提供している。同社はモバイルデバイス向け機能の大部分を、リモートデスクトップクライアントに組み込んだリダイレクト機能として提供する。
リダイレクト機能を使うと、エンドユーザーはクライアントデバイスの機能を生かしながら、仮想デスクトップや仮想アプリケーションを利用できる。例えばリモートデスクトップクライアントは、キーボードとタッチ操作のリダイレクトが可能なので、ローカルデバイスと同じような操作で、仮想デスクトップや仮想アプリケーションを利用した作業ができる。
Parallels(Parallels Remote Application Server)
Parallelsの「Parallels Remote Application Server」は、iOSデバイスとAndroidデバイス向けに「Parallels Client」というクライアントソフトウェアを提供する。これはタップ、ドラッグ、スワイプ、ズームなどのタッチジェスチャーを、仮想デスクトップや仮想アプリケーションにリダイレクトできる。iOSデバイスとAndroidデバイスでのローカル印刷も実現する。
Bluetooth接続の小型マウス「Swiftpoint GT」も利用できる。これを使えばモバイルデバイスでデスクトップと同じような操作が可能だ。Swiftpoint GTには左クリック、右クリック、スクロールなど、通常のマウスと同じ機能が多数ある。
Parallelsは、Webブラウザで動作するクライアントソフトウェア「Parallels HTML5 Client」も提供しており、HTML5準拠のWebブラウザでも仮想デスクトップや仮想アプリケーションを利用できる。Parallels HTML5 Clientは複雑なセットアップの必要がない。Webブラウザのタブやウィンドウを複数開けば、それらを使って複数の仮想デスクトップや仮想アプリケーションを利用できる。
VMware(VMware Horizon)
「VMware Blast Extreme」は、モバイルデバイスでの使用を想定してVMwareが開発した画面転送プロトコルだ。Blast Extremeは動画圧縮技術の「H.264」を使用し、モバイルデバイスでのアプリケーション仮想化やデスクトップ仮想化の利用を支援する。
Blast ExtremeはiOSとAndroidも含めた幅広いモバイルOSとデバイスで利用できる。モバイルデバイス向けのクライアントソフトウェア「VMware Horizon Client」との組み合わせにより、デスクトップ仮想化製品「VMware Horizon」で構築した仮想デスクトップや仮想アプリケーションを利用可能にする。のVMware Horizon ClientではBlast Extremeの他に、画面転送プロトコルの「PC-over-IP」(PCoIP)も使用できる。
iOS向けとAndroid向けのVMware Horizon Clientにより、クライアントデバイスのジェスチャー機能やフルスクリーンタッチパッド機能を使った、仮想デスクトップや仮想アプリケーションの操作が可能になる。「Unity Touch」というサイドバーを使って、Windowsアプリケーションやファイルを簡単に参照、オープン、クローズ、検索することも可能だ。Unity Touchではウィンドウの最小化やアプリケーションの切り替えもできるので、そうした操作のためにWindowsのスタートメニューやタスクバーを使わずに済む。
VMware Horizon Clientを使えば、スクリーンキーボード、仮想タッチパッド、仮想キーボード、構成設定などの機能を簡単に利用できる。デジタルワークスペース製品群「VMware Workspace One」との連携で、エンタープライズモビリティー管理(EMM)を実現することも可能だ。Android向けVMware Horizon Clientは、DeX Stationも利用できる。
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