LinuxとmacOS利用者も関心を寄せる
「PowerShell」の未来はオープンソース化によってどう変わるのか(2/2 ページ)
PowerShell Coreプロジェクトの欠点
こうしたことからPowerShell Coreがオープンソースになったデメリットが分かる。著者の個人的見解だが、以下のような問題がある。
- プロジェクトの包括的なビジョンがない。
- ユーザーコミュニティーにPowerShellの中身に対する知識が不足している。
- 機能のギャップ
これらの点は必ず問題になるわけではない。だが、長期的にはPowerShellプロジェクトに影響を与えかねない課題だ。
この極めて重要な自動化と変更管理のツールをオープンソースへと変えたことは、PowerShellの将来に大きく影響する。PowerShellの委員会が最も重要な管理者となる。どの新機能の提案を次の段階へ進めるかについては、この委員会が最終決定権を握る。
本稿執筆時点では、PowerShellチームメンバーがこの委員会のメンバーになっている。そのうちの何人かはPowerShellの取り組みに最初から参加している。これには当初の言語設計チームも含まれる。だが、そうした知識レベルが薄まれば、PowerShellに悪影響が生じかねない。
PowerShellプロジェクトのページには短期目標と中期目標が幾つか掲載されている。だが、PowerShellの将来について説明する長期計画は見当たらない。これまでのところ、PowerShellエンジンを他のプラットフォームに移植する取り組みに力が注がれているようだ。PowerShellをクロスプラットフォーム管理ツールにすることのみを目標としているなら、現状のPowerShell機能の移植にもっと尽力すべきだろう。
PowerShellの開発に参加する手段をPowerShellコミュニティーに与えていることは強みにも弱点にもなる。一部の提案は、多くのユーザーがPowerShellの仕組みを理解していないことを示している。PowerShellを「Bash」といった他のシェルのようにして欲しいという要求が出されているのだ。
他にはPowerShellの動作方法を変えることを求める提案もある。これは既存の機能を壊しかねない。PowerShell委員会は異論の多い提案を管理することについては優れた仕事をしている。だが、長期目標を明らかにすれば、PowerShellの今後にそぐわない要求を減らせるだろう。
このプロジェクトでは機能のギャップにも対応している。本稿執筆時点の「Windows PowerShell 5.1」のモジュールの多くはPowerShell Coreで動作する。2018年4月に開催された「PowerShell + DevOps Global Summit 2018」では、あるデモンストレーションがあった。PowerShell Core 6.0を介し、リモート処理を使ってローカルマシン上にあるPowerShell 5.1モジュールにアクセスする方法を示すデモだ。これは理想的ではないが、モジュールの作者がモジュールをPowerShell Coreで動作するように変換するまではこの方法が機能する。
ギャップの1つとしては、LinuxとmacOSの機能が挙げられる。PowerShell Coreには標準の管理タスクに必要なコマンドレット(実行可能なコマンド群)がない。例えば、ネットワークアダプター、ストレージ、プリンタ管理、ローカルアカウント、グループなどの管理タスクだ。
「ConvertFrom-String」コマンドレットを利用できれば大きな後押しになるだろう。管理者がLinuxコマンドを使用して、出力をオブジェクトに変えられるようになるためだ。それにより、PowerShellでさらに多くの処理ができる。残念ながら、ConvertFrom-Stringではオープンソースにできないコードが使用されている。そのため、本稿執筆時点ではこれは選択肢にならない。こうした機能のギャップが縮まるまで、PowerShellの世界ではLinuxとmacOSは不十分な存在になるだろう。
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