利用するハードウェアの条件とシステムで選ぶ
VMware WorkstationとOracle VirtualBoxを比較 仮想マシン構築ソフトの選定ポイントは?
「VMware Workstation」と「Oracle VM VirtualBox」、は甲乙つけ難い競合製品になった。いったいどちらが自社に向いているのか。類似点、相違点、利点を比較し、選定のポイントを検討する。
Type 2ハイパーバイザーの主要な選択肢としては、VMwareの「VMware Workstation」とOracleの「Oracle VM VirtualBox」がある。最適な選択をするために、それぞれの類似点、相違点、利点を比較評価する。
Type 2ハイパーバイザーは、既存のOSの上にアプリケーションとしてハイパーバイザーをインストールする。ホストOSからリソースを呼び出すことで、ゲスト仮想マシン(VM)を利用できる。エンドユーザーは、PC上でVMを簡単に実行可能だ。
併せて読みたいお薦め記事
仮想デスクトップの比較についてもっと詳しく
仮想デスクトップの最新動向
VMwareは1999年にWindowsやLinux対応のWorkstationを、2007年にはmacOSに対応する「VMware Fusion」をリリースした。Oracleは2007年にVirtualBoxをリリースした。VMwareは初期のVirtualBoxに比べて明らかに優れた製品を提供していた。以後、両方のアプリケーションともに大幅に進化し、互いに甲乙つけ難い競合製品となっている。
ハードウェアの要件を比較
Type 2ハイパーバイザーを使用するとき、コンピュータで実行しているアプリケーションへの影響が気になるかもしれない。VirtualBoxは、利用方法に合わせた機能を提供する。VagrantやMinikubeなどの一部のアプリケーションでは、ハイパーバイザーをバックグラウンドで実行する必要があり、管理者はVirtualBoxを使用することが多い。アプリケーションは、Type 2ハイパーバイザー上で実行するVMを自動的に配備することができる。このことを知らないままVirtualBoxを使用している場合も少なくない。
現在のVirtualBoxは以前と違い、Workstationが提供するほぼ全ての機能を同様に提供している。ただしVirtualBoxを利用するには、CPUのハードウェア仮想化拡張機能が必要だ。Workstationにはこの機能は必要ない。そのため仮想化拡張機能のないローエンドCPUでは、VirtualBoxは実行できない。
VMware WorkstationとVirtualBoxの統合機能と価格の比較
多くの場合、機能の比較だけではVMware WorkstationとVirtualBoxのどちらかを選択するか決定することはできない。同等の機能は数多いが、周辺との統合機能の違いによって管理の複雑さは異なっている。VMwareは、LinuxまたはWindowsのユーザーにWorkstationを提供、macOSユーザーにFusionを提供し、さらにこれらのプラットフォームを他のVMware製品と統合することができる。WorkstationおよびFusionには、サーバ仮想化製品の「VMware vSphere」にVMをダウンロードできるようにするオプションがある。
Fusionの「ファイル」メニューの「サーバに接続」オプションを使用すると、vSphere以外のサーバにも接続できる。「VMware ESX」「VMware vCenter Server」などの他サービスを実行している別のユーザーにも接続できる。これにより企業のデータセンターや、他のWorkstationまたはFusionのユーザーとVMを簡単に共有することができる。
VMware WorkstationとVirtualBoxの比較のポイントは価格だ。VirtualBoxには無料であるという利点がある。VMwareは価格でVirtualBoxには勝てない。このためVirtualBoxは次第に市場シェアを拡大し、他のアプリケーションとの統合機能を追加することができるようになった。CPUに仮想化拡張機能があり、他のVMware製品との統合を必要としないユーザーにとっては、WorkstationまたはFusionを選択しなければならない理由はない。
VMware WorkstationとVirtualBoxを比較して、どちらのType 2ハイパーバイザーを選択するかは、現在運用しているインフラストラクチャのニーズによる。コストが主要な考慮事項であり、CPUの仮想化拡張機能に問題がない場合は、Oracle VirtualBoxが適しているといえる。他の製品との統合が必要で予算に余裕がある場合は、VMware WorkstationまたはFusionを使用する方がよいだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー