AIベンダー選定に新潮流
OpenAIの独占時代に陰り? 銀行業界でClaudeとGeminiの存在感が増す理由
世界の主要銀行におけるAI導入に変化が見られている。2024年に50%だったOpenAIの採用比率が約33%に減少していることが、調査結果から明らかになった。OpenAI以外のベンダーに注目が集まる理由は。
世界の大手銀行における人工知能(AI)導入で、OpenAIの存在感が低下しつつある。
Evident Insights(以下、Evident)によると、世界の大手銀行50行におけるAI活用事例のうち、OpenAIの技術を基盤とする割合は2024年の50%から約33%へ減少した。その代わりに、Anthropicの「Claude」やGoogleの「Gemini」といった大規模言語モデル(LLM)が、大手銀行の間で存在感を高めているという。同社は、金融機関のAI活用度をベンチマークし可視化するプラットフォームを提供する企業だ。
ClaudeやGeminiに注目が集まる理由
Evidentの共同創業者兼CEOであるアレクサンドラ・ムサビザーデー氏によれば、銀行側がAIベンダーに求める水準が高まっていることが、OpenAI以外のベンダーとの関係構築の機会を生んでいるという。「銀行とAIベンダーが最良のパートナーシップを構築できるかどうかがポイントだ。銀行の要求は厳しさを増している」と同氏は語る。
銀行がAIベンダーに求める内容として、システム構築を支援するため、導入エンジニアを銀行内に派遣するよう求めるケースがあるという。
ムサビザーデー氏は「多くの銀行では、特定のLLMに依存しない『モデルアグノスティック』な設計を重視している。その結果として、従来OpenAIが占めていた比重が相対的に低下している可能性がある」と指摘する。一方、「ここ数カ月で話を聞いた銀行関係者の多くは、AnthropicやGoogleの提供内容を高く評価している」とも述べる。
OpenAIは、スペインのBanco Bilbao Vizcaya Argentaria(BBVA)やMorgan Stanleyといった金融機関との提携を維持しており、銀行業界での存在感は依然として保たれたままだ。同氏は「今後数カ月で、同社がエンタープライズ向け事業をどう進化させるかが注目される」と語る。
ムサビザーデー氏によると、市場全体ではAIを活用した事例の検証が増加傾向にあるという。「先進的な金融機関では、コスト削減や生産性向上といった効果が出始めている」
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