ベンダーロックインを価値に変える

ベンダーロックインは本当に悪か? 依存を競争力に変えるための発想と整理軸

ERPやクラウドサービス利用ではベンダーロックインは避けられない。価格改定など前提条件が崩れた際に説明責任を負う情シスとして、ロックインを管理対象と捉え、判断と説明を可能にする考え方を整理する。

 「この仕組み、もう何年も使っているから変えにくい」「ベンダーロックインは避けたいが、では何を選ぶのが正解なのか分からない」「結局、乗り換えコストの方が高くつくのではないか」──。

 こうした会話は、多くの企業で繰り返されてきた。しかし最終的に、この問いに説明を求められる立場に置かれるのは、情報システム部門(以下、情シス)であることが多い。

 平常時、システムは動いている。業務も回っている。大きな障害が起きているわけでもない。それでも、価格改定や契約条件の変更、サポート方針の転換といった「前提」が崩れた瞬間、経営から問われるのは次の一点だ。

なぜ、これを選んだの?

 ベンダーロックインとは、単なる技術依存の問題ではない。情シスが説明責任を負う構造そのものを指す言葉でもある。

 本稿は、ベンダーロックインを「避けるべき悪」と捉える従来の発想から離れ、管理すべき前提条件として捉え直す。その上で、情シスが適切に判断し、経営層に説明できるようにするための考え方を整理する。

ベンダーロックインが問題視され続ける理由

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