セキュリティ基準を満たしつつAIチャットbotを導入

激増する初歩的な質問 “人員増ゼロ”で相談6倍をさばくLINEヤフーのサポート運用

定型的な問い合わせの激増は、少人数のサポート体制を疲弊させる。AIチャットbotで解決しようにも、セキュリティ基準が壁になる場合がある。厳しい要件を突破し、サポート体制を拡張させたLINEヤフーの手法とは。

 企業が新しいITツールやシステムを導入した際、大半のIT部門が直面するのが、「どう使うのか」というエンドユーザーからの初歩的な問い合わせの激増だ。

 LINEヤフーが提供するデータ分析サービス「DS.INSIGHT」の運営現場でも、同じ問題が起きていた。少人数での顧客対応が限界に達し、定型的な質問への応対負荷と属人化が深刻な課題になっていたのだ。ユーザー企業でも、社内の窓口担当者に質問が集中する一方、ベンダーであるLINEヤフーの公式問い合わせフォームは心理的ハードルが高く、「気軽に不明点を解消できる場」が不足していたという。

 AIチャットbotで一次対応を自動化することは有効な手段だ。しかし実際の運用においては「社内のFAQリストやユーザー向けマニュアルとチャットbot用の回答データを別々に管理する二度手間」や、「厳格な社内セキュリティ基準への準拠」といったハードルが存在する。

 そこでLINEヤフーは、これらの運用課題を克服できるAIツールを採用した。非エンジニアの事業部門担当者だけでもチャットbotのシナリオ設計や回答改善を回せる体制を構築し、厳しい社内セキュリティ要件もクリア。結果として、問い合わせフォームに届く基本的な質問をほぼゼロに削減しつつ、同一体制のままエンドユーザーからの相談件数を約6倍に拡大させた。同社はいかにして自社のセキュリティ基準を満たしながら、マニュアルとチャットbotの回答情報を自動で同期させ、エンドユーザーを適切なページに誘導する仕組みを構築したのか。

FAQのメンテナンス地獄を回避した「自動化」の仕掛け

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