「新ツールは使わない」現場の抵抗を乗り越える

「紙とExcel」の山から脱出 情シス3人で3000人が使うシステムを動かす福山通運

全国から集まるExcelファイルの集計作業と、現場に残る紙の回覧。こうした「アナログの負債」は情報システム部門の時間を奪い続ける。福山通運は、わずか3人でこの負債をどう断ち切ったのか。

 各地に拠点を持つ企業において、現場から上がってくるデータの集計は情シスや本社部門にとって頭の痛い問題だ。各拠点が独自のフォーマットで入力した「Microsoft Excel」ファイルが飛び交い、それを手作業で集約する作業は、膨大な工数を消費するだけではなく、経営の意思決定を遅らせる要因となる。

 全国約400拠点で同様の課題を抱えていた福山通運では、営業活動の進捗(しんちょく)管理を、全国の拠点から送られてくるMicrosoft Excelファイルを手作業で集計、加工していたため、週次や月次でしか状況を把握できなかった。現場のフォークリフト乗務承認には紙の回覧と安全管理部の押印が必要で、承認まで約1週間のロスタイムが発生していたという。人手不足が叫ばれる物流業界において、こうしたアナログな運用による現場の稼働ロスは、企業の競争力低下に直結する。

 この状況を打破したのが情報システム部だ。わずか3人の主要メンバーで、3000人規模が利用する新たなシステムを構築することに成功した。多額の外部委託費をかけず、彼らはどのようにして現場のニーズをシステムに反映し、短期間で定着させたのか。

「まず作ってみる」が現場を変える――情シス主導のDX戦略

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