カスミのノーコード開発事例
脱Excel、主役は情シスではなく業務部門 請求工数を3カ月で60%削減
インボイス制度対応により、業務が複雑化、作業工数と残業時間が増加した食品スーパーマーケットのカスミは、ドリーム・アーツのSmartDBを導入した。導入に当たってカスミが評価したポイントは。
制度改正で業務が複雑になったものの、基幹システムの改修には時間がかかる――。こうした「基幹システム外」の業務を、現場主導のノーコード開発で改善した事例がある。
食品スーパーマーケットを展開するカスミは、各店舗に入居するテナント向けの水光熱費の請求業務に、ドリーム・アーツの業務デジタル化クラウド「SmartDB」を導入した。業務部門の担当者が約3カ月でシステムを構築し、対象業務の工数を約60%削減したという。
本事例は、ドリーム・アーツが2026年8月25日に発表した。カスミがSmartDBを評価したポイントは。
インボイス制度で「基幹システム外」の手作業が増加
カスミは各店舗に入居する500以上のテナントに対し、電気、ガス、水道の使用量に応じた水光熱費を毎月請求している。
この業務が複雑になったきっかけの1つがインボイス制度への対応だ。明細書の発行が必要になるなど業務が増えた一方、既存の賃貸管理システムでは制度変更への迅速な対応が難しかった。
そのため、検針値の確認や料金計算、仕訳データ、請求書の確認などをMicrosoft Excel(以下、Excel)や手作業で補完していた。結果として、業務知識や運用ノウハウが特定の担当者に集中し、確認漏れや入力ミス、担当者間の業務負荷の偏りが課題になっていた。
さらに、業務データが複数の場所に分散していたため、処理がどこまで進んでいるのか把握しにくく、業務改善にも時間がかかっていたという。
「基幹システム刷新には1年以上」、周辺業務から改善
そこでカスミが選んだのは、基幹システムそのものを短期間で刷新する方法ではなかった。
基幹システムの全面刷新には1年以上かかることが想定され、制度対応を急ぐには適さなかった。そのため同社は、既存システムを残しつつ、周辺に残っているExcelや手作業をデジタル化する方針を採った。
そこでカスミは、2025年11月にSmartDBを採用。水光熱費の請求業務では、店舗やテナントによって契約条件や料金の算定方法が異なるため、それぞれの契約情報をマスタ化し、条件を参照して料金を自動計算する仕組みを構築した。
これまで担当者が知識や経験を基に判断していた業務ルールをシステム上に落とし込むことで、担当者に依存しない運用を目指した。請求情報も一元化し、二重入力や手作業を減らしたことで、確認漏れや入力ミスの防止につなげた。
業務部門が3カ月で内製、月15人日から6人日に
特徴的なのは、この仕組みを情報システム部門や外部ベンダーだけで開発したのではなく、不動産管理部門の担当者が中心となって構築したことだ。
同部門の担当者はドリーム・アーツの支援を受けながらシステムを約3カ月で開発し、2026年5月に全店舗で本格運用を開始した。
その結果、水光熱費の請求業務にかかる工数は、月当たり約15人日から約6人日に減少。約60%の削減となった。業務の進捗状況や担当者ごとの負荷も把握できるようになったという。
なぜSmartDBを選んだのか
カスミがSmartDBを評価したポイントは大きく3つある。
ポイント1.ノーコードで業務部門自身がアプリケーションを開発、改善できる
業務内容を理解する担当者が自ら変更できるため、今後の法改正や業務ルール変更にも対応しやすい。
ポイント2.テナントごとに異なる契約条件や請求ルールなど、複雑な業務ロジックを標準機能で実装できる
カスミは、データ入力から承認、データ出力までを1つの仕組みにまとめられることも評価した。
ポイント3.導入から運用開始後まで継続的な支援を受けられる
カスミは今回、業務部門による内製を選んだが、ドリーム・アーツの伴走支援を受けながら構築を進めた。
カスミは「既存システムを活かしながら、現場主体で短期間に業務改善を実現できたことも大きな成果」とコメントしている。
本稿は、ドリーム・アーツが2026年8月25日に公開したプレスリリースを基に作成しました。
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