トラフィック集中の限界を打破
岐阜県庁が7000人規模でも重くならないテレワークを「Prisma Access」で実現
従来の運用では有事の通信トラブルというリスクを抱えていた岐阜県庁は、7000人規模のテレワークを支えるインフラに「Prisma Access」を導入した。ゼロトラストセキュリティがどのように課題を解消するのか。
自治体が場所を問わない働き方の推進、災害時の業務継続といった課題がある一方、閉域網と専用端末を用いたテレワークは、システム拡張性やトラフィック集中時の安定性に構造的な制約があった。
ネットワンシステムズは、岐阜県庁の全職員約7000人が利用する新たなテレワークインフラを構築した。本システムは2026年2月に本稼働を開始した。ゼロトラストアーキテクチャを前提に、全職員が業務PC1台で庁外から安全に業務を遂行できるインフラを実現した。
県民の重要な情報を扱う行政機関が、利便性と堅牢(けんろう)性を両立させるために選択した技術的アプローチと、将来のネットワーク構想を見据えた布石とはどのようなものか。
専用PCと専用ネットワークでの運用に限界
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ゼロトラストセキュリティの実装
これまで岐阜県庁は、通信先を庁内に制限する閉域SIMを組み込んだ1500台のテレワーク専用PCを用意して、希望する職員に貸し出すことで機密性を確保したテレワークを運用していた。しかし、この方式は認証機能が特定のデータセンターに集約される構造だったため、災害時などでリモートアクセスが急増した際、トラフィックが集中して接続が不安定になる懸念があった。
デジタル庁が推進するゼロトラストアーキテクチャへの移行や、職員1人が1台の端末を使うという働き方の方針を踏まえて、岐阜県庁はシステム構造の抜本的な見直しに着手した。業務効率の向上と有事の業務継続を目的として、全職員が共通の業務PCを用いて、庁内外を問わず安全かつ快適に業務を進められるインフラの整備を目指した。
新構成では、テレワーク利用者の大幅な増加を見据えて、庁内ネットワークと外部との接続点に低遅延かつ広帯域の通信回線を確保した。庁外からのアクセスに耐え得る物理的な通信インフラを整えるとともに、クラウドサービスを前提とした論理的なネットワーク構成に刷新することで、トラフィック集中時のボトルネック解消を図る。
「シングルベンダーSASE」を軸とした強固なセキュリティ
新たなテレワークインフラの中核を担うのが、Palo Alto Networksが提供するクラウド型SASE(Secure Access Service Edge)サービス「Prisma Access」だ。SASEとは、ネットワーク機能とセキュリティ機能を集約して、クラウドサービスとして提供するフレームワークを指す。
Prisma Accessを採用した理由は、ネットワーク制御とセキュリティ制御の双方を1社で包括的に提供する「シングルベンダーSASE」である点だ。岐阜県庁は製品選定に際してセキュリティの堅固さを重視し、県民からの信頼維持に直結する技術としてPrisma Accessを評価する。認証システムをクラウドインフラに分散配置することで、約7000人の職員が同時にシステムを利用した場合でも、安定した接続を維持できる可用性を確保した。
運用面でのセキュリティ監視体制も強化した。リモートアクセスには多要素認証(パスワードに加えて、所有物や生体情報などの別の認証要素を要求する仕組み)を導入し、第三者による不正アクセスを未然に防ぐ。PCの紛失や盗難が発生した場合には、遠隔操作で端末内のデータを消去できる機能を実装して、情報漏えいリスクを最小化した。加えて、SASEおよび庁内ネットワークの通信ログを常時監視の対象とした。不審な挙動やサイバー攻撃の兆候を検出した際に、迅速な初動対応が可能な運用体制を敷いている。導入を支援したネットワンシステムズは、システムを支えるパートナーとして、全体を俯瞰したインフラ設計から日々の運用まで包括的に支援する。
次世代ネットワーク「β'モデル」への移行を見据えて
行政のデジタル化が進む中で、自治体のネットワークは厳格なガイドラインに準拠してきた。特にマイナンバー利用事務系、LGWAN(総合行政ネットワーク)接続系、インターネット接続系の3つの領域に分割して、それぞれを論理的・物理的に遮断する「三層分離」を基本とする。
この三層分離の枠組みのうち、岐阜県庁が採用したのは「α'モデル」だ。これは主要な業務端末やシステムをLGWAN接続系に配置しつつ、ローカルブレークアウトを用いて、特定のクラウドサービスを効率的に利用する方式だ。堅牢なセキュリティを維持しながら、業務効率を向上させる過渡的なアプローチとして機能する。
岐阜県庁は今後のさらなる行政サービスのデジタル化とクラウドサービス利用拡大を視野に入れて、2029年1月をめどに別の分離方式「β'モデル」への移行を検討中だ。β'モデルは、職員が日常的に利用する端末や業務システムをインターネット接続系に積極的に配置するアーキテクチャを指す。β'モデルはWebサービスの利便性を最大限に引き出せる半面、端末と通信経路をより高度なセキュリティ対策で保護する必要がある。
今回整備されたゼロトラストセキュリティとSASEの仕組みは、一過性のテレワーク対策にとどまらない。将来的なβ'モデルへの移行時にも、強固なアクセス制御と通信監視を担う中核的なシステムとして利用される見込みだ。ネットワーク全体の最適化を通じて、次世代の働き方を支える拡張性の高いインフラを整備した。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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