パフォーマンスを可視化する「3次元」ネットワーク管理:ロキ・ジョーゲンソンのネットワーク論
ネットワークが何をしているのかを把握するのは不可能に近い。だがここで紹介する3次元アプローチによれば、ネットワークパフォーマンスの全体像が提供されるだろう。
社内のネットワークで起きている目には見えないことが、コストにつながる可能性がある。それも大きなコストだ。企業は、ネットワークが収益に影響を及ぼすという事実を、VoIPによって思い知らされた。しかし業界では今でも、そのコストを算定する方法を定義するのに苦労している。
最大の問題は可視性である――ネットワークが何をしているのかを把握するのは不可能に近いのだ。経験豊富なネットワーク技術者でさえも、ネットワークパス(経路)を「見通す」ためにpingやtracerouteといった原始的なツールに頼っているのが実情だ。しかしこういった単純なツールでは、詳しいことは分からない(「ネットワークは「盲人と象」のようなもの」参照)。今日、ネットワークマネジャーは、デバイスカウンターやパケットスニファから得られた断片的データをつなぎ合わせて、ネットワークパフォーマンスに関するあいまいなメンタルイメージを作り上げているが、これは決して真実を直接反映したものではない。
では、ネットワークが見えないことによる不利益はどのくらいなのだろうか。ネットワーク管理にかかわる支出は全世界で90億ドル近くに達しようとしているにもかかわらず、調査会社ガートナーのアナリスト、ジェフ・スナイダー氏は、2004年の時点で85%のネットワークがVoIPへの対応準備ができていないとみている。また、配備前の評価に対する要求の高まりを受け、業界はアプリケーション導入前にネットワークの健康確保を重視するようになってきてはいるが、業界誌ネットワークワールドの推定によると、ネットワークインシデントの82%はユーザーによって報告されたものであり、ネットワーク分析ソリューションのネテュイティブでは、ネットワークアラームの約50%がフォールスポジティブ(誤認)だとしている。
これらの原因はすべて、可視性の欠如にある。
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