圧倒的な自社開発の現状、基幹アプリに求める自社最適化:基幹系アプリ利用に関するアンケート結果リポート
TechTargetジャパンではアンケートを通じて基幹系アプリケーションの利用状況を調査。導入状況、現状システムの課題、新規導入検討状況が明らかになった。
財務/会計、人事/給与、販売/在庫管理といった、文字通り企業の根幹を支える基幹系アプリケーション。企業において「人・モノ・金」をしっかりと管理する上で、IT化が寄与する効果はもはや自明といえるだろう。だが、実際のところ基幹系アプリケーションの導入はどれほど進んでいるのだろうか。企業はどのような要素を重視して導入を決断しているのだろうか。
そこでTechTargetジャパンの会員を対象に「基幹系アプリケーション利用に関するアンケート調査」を行った。今回は、その結果を紹介する。
基幹系アプリケーションは中堅・中小企業に伸びしろあり
まず、導入済み/導入を検討している基幹系アプリケーションの集計結果を見てみよう(図1)。導入済みのアプリケーションで最も多かったのは、「財務/会計」の69%。次いで「人事/給与」(62%)、「販売/在庫管理」(47%)となった。一方、導入を検討している割合が多かったのは、「ERP(企業資源計画)」(17%)、「CRM(顧客関係管理)」(16%)、「電子帳票」(14%)だった。また、先述した導入済みの上位3分野(「財務/会計」「人事/給与」「販売/在庫管理」)以外はすべて、導入検討が10%を超えている。
次に、図1の結果にTechTargetジャパンの会員プロフィールをひも付けることで、導入済み企業の年商規模比率を導き出した結果が図2である。
導入済み企業の年商規模比率は、「人事/給与」「財務/会計」「販売/在庫管理」以外の分野に関しては、年商10億円以上の大企業の割合が80%を超えた。基幹系アプリケーションは大規模企業で導入が進んでいる状況がうかがえる。言い換えると、上記「人事/給与」「財務/会計」「販売/在庫管理」の3分野に関しては、10億円未満の企業規模の割合も20%を超えており、企業規模にかかわらず導入が進んでいるようだ。この3分野の管理は企業経営にとってもはや必須事項といえる。また、日本版SOX法施行に伴う内部統制強化の必要性もIT化を促したために、あらゆる規模の企業で導入が進んだと考えられる。
続いて、導入検討企業の年商規模比率を見てみよう(図3)。すべての分野で年商10億円未満の企業が30%を超えていることが分かる。逆に、年商500億円以上の企業はすべての分野で30%に至っていない。図2と合わせて考察すると、基幹系アプリケーションの導入は大企業では既にある程度進んでおり、現在は特に中堅・中小企業が導入を検討中である状況がうかがえる。
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