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【徹底比較】診療所向けSaaS型電子カルテサービスの導入・月額利用コスト4つのサービスを紹介

医療情報をネットワーク経由で院外のデータセンターに保管し、処理を行うSaaS型電子カルテは、初期投資を抑えられるメリットがあるといわれている。4つのサービスの初期導入費、月額利用料金を比較した。

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SaaS型電子カルテの導入メリット

 厚生労働省が2010年2月に発表した「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第4.1版」によって、民間のデータセンター事業者は医療機関が保有するデータの外部保存を受託できるようになった。これにより、インターネットなどを経由してデータセンターに診療所の医療情報を保管し、その処理を行うSaaS(Software as a Service)型の電子カルテが登場している。

 SaaS型電子カルテの主な導入メリットは、以下の通り。

  1. 火災や津波などの災害時でもデータを安全に保存できる
  2. データセンター側でシステムのバージョンアップやデータのバックアップを実施するため、メンテナンスやセキュリティ面で手間が少ない
  3. サーバの電気代や空調費用、設置場所が不要。省電力/省スペースの効果がある
  4. 医師の自宅や在宅診療など院外でも利用しやすい

 SaaS型電子カルテの導入には、どれくらいのコストが掛かるのだろうか。本稿では、「診療所向け電子カルテ製品紹介」連載で紹介した4つの無床診療所向けサービスの初期導入費、月額利用料金などを紹介する。

今回紹介したサービスのコストをまとめた比較表をPDFで提供しています。

診療所向けSaaS型電子カルテサービスの導入・月額利用コスト比較表」からダウンロードしてください。


提供機能の確認も重要

 今回紹介するSaaS型電子カルテサービスは、電子カルテ機能のみサービスからオーダリング、医事会計機能を含めて活用できるサービスもある。導入メリットをより享受するためにも、コストと併せて提供機能を確認することも必要だ。

各サービスの概要
サービス名 概要 レセコン機能の有無
医歩ippo 診療所や病院、看護ステーションなど複数施設における情報共有基盤としての利用を前提に開発 なし(ORCAと連動)
Karte Cloud オープンソースの電子カルテOpenDolphinをベースに開発した商用電子カルテ「Open DolphinPro」を採用 なし(ORCAと連動、ORCAの機能をクラウドで利用できる「ORCA Cloud」サービスを併用可能)
Future Clinic 21 ワープ 診療経過を一覧表示する「タイムライン」機能、データセンターでのデータの自動バックアップ機能を標準搭載 なし(ORCAと連動)
セコム・ユビキタス電子カルテ レセコン機能一体型電子カルテ。各種オーダリング機能も搭載 あり

 各サービスの詳細は、以下の記事で紹介している。

初期導入費と導入時に用意するもの

各サービスの初期導入費と導入時に用意するもの
サービス名 初期導入費用 導入時に別途用意するもの
医歩ippo 50万円 インターネット接続が可能なハードウェア
Karte Cloud 10万5000円 インターネット接続が可能なハードウェア、データセンターとのVPN設定
Future Clinic 21 ワープ 16万1700円〜(契約料、初期工事基本費、機器・配線工事費の合算金額) ソリューションタイプの場合、L2スイッチやデータ保存用ストレージ
セコム・ユビキタス電子カルテ 250万円〜 インターネット接続が可能なハードウェア、院内LAN環境の設定

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