Lyncの管理性とSkypeの操作性が融合
「Microsoft Lync」が「Skype for Business」に突然の名称変更、その狙いは?
「Microsoft Lync」が「Skype for Business」に改称される。Microsoftは、企業がコミュニケーションツールに望むニーズと従業員が求める操作性を融合することができるのだろうか。
米Microsoftのユニファイドコミュニケーション(UC)基盤製品「Microsoft Lync」は大きく生まれ変わり、2015年には「Microsoft Skype for Business」へと名称を変更する。新たなインタフェースや機能は、ビジネスユーザーとコンシューマーを問わない共通した操作性を実現する。
Skype for Businessの狙いは、社内コミュニケーションツールにLyncを利用する大企業と、Microsoftが2011年に買収したSkypeを利用するコンシューマーおよび小規模企業の間にあるギャップを埋めることにある。今後は、企業規模を問わずに、Lyncのセキュリティや管理性とSkypeの操作性が一体となったUC機能を利用できるようになる。
エンタープライズITの世界を除き、Lyncブランドは世の中に浸透していない。こう語るのは、米Constellation Researchで副社長および主任アナリストを務めるアラン・レポフスキー氏。「一般社員はMicrosoft製品を使っていることは分かっているが、大抵はそれまでだ。その一方で、Skypeという名前は誰でも知っている。Microsoftは、Skypeが持つブランド力を利用したいと考えている」
こうした背景から、Microsoftは2015年上半期にリリース予定の次期Lyncの名称をSkype for Businessに変更し、新しいクライアントインタフェース、新しいサーバリリース、「Office 365」サービスの更新プログラムを提供する。「Skype for BusinessでSkypeとLyncの両方の強みがどのように活用されるかを考えると、本当にエキサイティングだ」と、MicrosoftでSkype担当コーポレート副社長を務めるガーディープ・ポール氏はブログ投稿で話す。
企業のニーズと機能を融合したSkype for Business
LyncとSkypeの相互接続は既に実現しているが、インスタントメッセージング(IM)と音声通話の機能に限定されていた。Skype for Businessでは、ビデオ通話とSkypeユーザーディレクトリが追加される。利用顧客は使用しているデバイスに関わらず、全てのSkypeユーザーと接触できる。「通話」や「ビデオの追加」「通話の終了」といった操作には、Skypeアイコンが採用される。また、Skypeの通話モニター機能を追加して、ユーザーが別のアプリケーションに作業を移したときでも、小さいウィンドウにアクティブな通話を表示することができる。
米ベルビューカレッジは現在、Microsoft Lyncをオンプレミス環境で運用しているが、Office 365を用いたクラウド環境への移行を進めている。職員と学生の両方を対象としたコミュニケーション戦略の一環だ。Skypeのビジネス利用はあまり広がらなかったが、Skype for Businessは、ベルビューカレッジが抱える新たなニーズに対応する可能性がある、と同大学で情報リソース担当バイスプレジデントを務めるロス・ビアード氏は話す。
「われわれの目標の1つは、インターナショナルな学生プログラムを構築することだ。Skypeで国際電話をかける機能は計り知れないメリットがある。そのためにSkypeを大規模導入したいと考えている」(ビアード氏)
Skypeが提供する機能とのより緊密な統合に加えて、Skype for Businessでは、コンテンツの共有やIM、テレフォニーをはじめ、Lyncの既存機能を維持および改善する。「通話の転送機能は、3回ではなく1回の操作だけで行えるようになる」とポール氏はブログで説明する。
Microsoftにとっての大きな目標は、同社のUC製品ポートフォリオをシンプル化することにある。ツール間でアイコンを共通化することもその一環だ。「Skype for Businessは、セキュリティや認証、スケーラビリティなど、企業向けツールに必要な機能を全て備えるだけでなく、IMと画面共有の迅速な機能の切り替えなど、コンシューマーが好む操作性を有している」とレポフスキー氏は話す。
今回の動きは、企業と個人を問わず、Skypeユーザーにとってメリットがある。Skypeは今後、ビジネスユーザーと個人ユーザーの両方に対して、セキュリティ機能とコーデック機能を改善していくだろう、と同氏は述べる。
また、Skype for Businessによって、テレフォニー市場でのMicrosoftの成長が加速すると予想される。同社はこれまで同市場で苦戦を強いられてきた。
Microsoftが成功するためには、ツール間の認証管理を合理化する必要があり、同社はまだこの問題を解決していない、とレポフスキー氏は話す。最新の統合においても、ユーザーは引き続きSkype用のアカウントとSkype for Business用のアカウントが必要になる。
Lync Serverの既存顧客が新サービスを利用するには、「Lync Server 2013」から新しい「Skype for Business Server」にアップデートする必要がある。Microsoftによると、Office 365の顧客向けには、アップデートが配信される予定だという。
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