購入時にはサポートや保証面に注意
古いサーバをお金に換える売却先3選
平均5年といわれるIT製品のライフサイクル。元を取るには、不要になった中古製品の売却も有効な選択肢となる。一方、中古製品の購入時にはサポート面や保障面での注意が必要だ。
IT機器のリフレッシュにはコストと時間がかかるのが一般的だ。一方、ITライフサイクルで骨が折れるステップを簡単にするだけでなく、多少の利益を生み出すかもしれない方法もある。
データセンターのハードウェアの存在意義はアプリケーションを稼働させることにある。ハードウェアのコモディティ化に加え、仮想化やクラウドの導入が進む今、製品ライフサイクル内でIT担当者ができることも増えている。
ITライフサイクルの平均期間は約5年だ。だが同じハードウェアで5年以上運用されているアプリケーションもある。
「危険なのは、アプリケーションが旧式の機器でしか使用できなくなることだ」。そう語るのは、米イリノイ州を拠点とする不動産サービス業のJones Lang LaSalleでデータセンター資産の統括責任者を務めるアンディ・クベングロス氏だ。
新しい機器への移行で最も重要なステップは、既存の機器で実行しているアプリケーションの相互依存関係と、使用している仮想環境のハイパーバイザーを把握することだ。また、新しいハードウェアへ移行した場合にワークロードがどのように変わるのかを特定することも重要になる。
ITのリフレッシュとは基本的に、高速でより直感的に操作できる新しいバージョンへと既存のプラットフォームをアップグレードすることだ。ただし、機能がより優れていたり、パフォーマンスが大幅に向上したり、信頼性が高いプラットフォームが別にある場合は、リフレッシュのタイミングでハードウェアの方向転換を図るという選択肢もある。
「テクノロジーのためにテクノロジーを購入すべきではない。本当に必要かどうかを考える必要がある」と、米ミネソタ州に拠点を置くデータセンターサービスプロバイダーDatalinkで移行の責任者を務めるアーウィン・テオドロ氏は言う。
価値を知る
企業にとってのIT機器の実用的価値は、そこに保存されているデータと、機器の使用率にある。こうした実用的価値は、IT機器を中古品として売却するときに評価される本質的価値と比較する必要がある。
分析会社の英Quocircaでサービスディレクターを務めるクライブ・ロングボトム氏によると、最適なリフレッシュの時期は、本質的価値が横ばいで、かつ実用的価値が低下しているときだという。資産管理ツールを利用すると、減価償却率を正確に測定するのに役立つ。
サーバやネットワークスイッチなどの資産が、そのライフサイクルの最適な廃棄時期に来たら、IT管理者はその処分方法を決定しなくてはならない。
IT機器のオンライン交換を請け負う米イリノイ州MarkITxのCEO、フランク・D・ムスカレロ氏は次のように語る。「古い機器に価値が無いわけではない。単に自分にとって価値が無いだけにすぎない」
使用済みのシステムを中古品として売却することに抵抗を示すIT部門もある。
「使用済みのシステムを売却するときには、データを完全かつ確実に消去する必要がある。だが監査や整理に多くの時間を費やすと、売却しても大した利益にならない」。オーストラリアの法律事務所Piper AldermanでIT運用マネジャーを務めるアダム・ファウラー氏は語る。
ただし、4年使用した機器を欲しがる人がいれば、「確実に元が取れるという期待から、売却を前向きに検討するだろう」とファウラー氏は補足する。予備の機器や部品を欲しがる企業が存在する以上、IT機器の本質的価値が無くなることはない。
ムスカレロ氏によると、クラウドサービスプロバイダーは次の2つの行動のいずれかを取るという。1つは、一貫性を保つために同じハードウェアを多数購入すること。もう1つは、ブランドにこだわらず仮想化レイヤーの下に各種ハードウェアを接続することだ。
ムスカレロ氏は古いサーバやネットワーク機器の売却先企業として、次の3つの企業を勧める。
- ITのリフレッシュサイクルが長い企業
- ITのパフォーマンス要件が高くない中小規模企業
- 新興市場へ事業を拡大するために生産能力を上げようとしている企業
最も重要なワークロードを最新のハードウェアで実行するリフレッシュ方法もある。この方法では、IT部門は古いシステムを売却したり廃棄したりする必要はない。最も古いハードウェアも、予備部品が入手可能な間は、重要度が低いワークロードを実行するために使用できる。
買い手市場
「中古機器を購入する場合には、中古品を購入することを納得するだけのメリットがほしい」とファウラー氏は語る。
新しいサーバの購入時には、オプションのアドオンやサポート契約を考慮して価格を推測する必要がある。だが中古サーバを購入する場合は、その必要がほとんどない。仮想化レイヤーがあるデータセンターハードウェアの大半では、ニーズに応じた多様なアプリをサポートできる。
中古機器にベンダーの保証やサポートが付いていることはほとんどない。そのため、システムの予備部品を見つけ、機能することを確認し、取り付けられるようにスタッフを訓練する必要がある。
ベンダーは通常、設置済みの機器にもサービスを提供している。だが中古市場や業者から購入した場合、機器や稼働保証サービスの提供期限が残りわずかということも十分にあり得る。
適切なタイミング
新しい世代のIT機器へアップグレードする時期は、いつでも構わない。
ITライフサイクルを動かす主要な要素の1つは、アプリケーションのシステム要件だ。施設のスペースに関する決定もアップグレードの時期に影響を及ぼすだろう。具体的には、コロケーションの選択や新しいデータセンターの建設などだ。さらに、仮想化によってハードウェアの寿命が延びるのは言うまでもない。
「企業がデジタルビジネスを強化するためにITを刷新すると、古いシステムを保持する古い設備では、新しい高負荷のワークロードに対応できないことが判明する。また仮想化やさらに強力なハードウェアを導入すると、データセンターを十分に活用できなくなり、効率が悪くなることが判明する」と、クベングロス氏は語る。
ITのリフレッシュサイクルでは、コロケーションサービスを利用するとよいだろう。古い機器を稼働しながら新しいスペースに新しい機器を設置すれば、古い施設に電力と冷却の負荷を掛けないようにすることが可能だ。ゆっくりとITのリフレッシュを進め、新旧機器が混在した状態で機器を使用することで、ワークロードをダウンタイムから保護できる。
賢いIT部門は「事業運営への影響を抑えるため、次々にITを外部委託へ切り替えている」とテオドロ氏は言う。外部委託への切り替えは、もちろんリフレッシュサイクルで行うのが適している。コロケーションサービスを利用して新旧機器を混在させたITの切り替えは約24カ月かけて進める計画を立てるなど、柔軟にスケジュールを組む必要がある。切り替えの日程が業務の品質よりも優先することがあってはならない。
ITライフサイクルのリフレッシュサイクルは、新しい管理テクノロジーを追加して効率を向上させるのにも適している。ただし、非常に多くの複雑なプロジェクトが同時期に進行しているので、「IT部門による管理が困難になることもあるだろう」とテオドロ氏は言う。
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