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会社支給のスマートフォン、社員の位置情報追跡はなぜダメか:本来の目的以外に悪用される危険性も
従業員のスマートフォンやタブレットの位置を追跡する機能は、端末やデータの紛失を防ぐのに役立つが、個人情報保護の観点からはパンドラの箱を開けることにもなる。
位置情報やジオフェンシング(地図上の特定エリアに仮想的なフェンスを設置する技術)などのサービスを利用する場合、従業員の個人情報保護に関し、経営者やIT担当者が見過ごしてはならない重大な影響が発生する可能性がある。
企業が位置情報ベースのモバイル端末管理(MDM)を利用してスマートフォンやタブレットの位置を追跡すると、端末の使用者に関する広範な情報を入手できることになる。どの病院へ行き、どの教会へ通い、どのクラブの会員で、どの店で買い物するかまで把握でき、従業員の就寝習慣や支持政党、健康状況など、ありとあらゆる情報が丸見えになってしまう。
企業がこうした情報に関心を持っているというわけではない。ほとんどのIT部門は、自社資産の保護にしか関心がないものだ。それでも、端末を監視して位置情報の収集と保存が可能だということは、パンドラの箱を開けることを意味する。
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位置情報ベースのMDMがはらむ危険性
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