近い将来の重要課題
「IEEE 802.11ac」導入から始めるIoT時代のネットワーク構築
「モノのインターネット」(IoT)の成功には安全で拡張性の高いネットワークが欠かせない。Wi-Fiには、IoTネットワークを実現するためにIT部門が求める要素が備わっている。
「モノのインターネット」(IoT)が主流になるにつれ、IT部門は何千台もの新しいデバイスがWi-Fiネットワークに接続する潜在的な影響について考慮しなければならない状況になっている。
「IEEE 802.11ac」が利用できるようになったことによって、多くの企業がネットワークインフラのアップグレードを計画している。これから主流になるかもしれないネットワークトラフィックを検討するなら、今が絶好のタイミングだ。
企業のIoTネットワークでWi-Fiを採用するメリット
IoTは2015年のホットなITトレンドの1つとなることが予想されるが、何年も前から新興テクノロジーとして存在し、テレメトリ、M2M(Machine to Machine)通信、自動化という名の下に製品やサービスが提供されている。今日特に興味深いのはIoTの「インターネット」の部分だ。自律デバイス間にIPベースのネットワークを構築することで、インターネットという価値のある仕組みは強化される。これにより、テレメトリ、M2M、自動化の領域をこれまで独占してきた各社独自の製品を超える、新しい機能の実現が期待できる。
現在、IoTは主に医療や住宅における自動化といったコンシューマー向けの幅広いアプリケーションと関連付けられることが多い。だが、今後は企業が業務で利用する機会も急速に増えるだろう。
現時点では、多くのIoTデバイスが「Bluetooth Low Energy」「ZigBee」「Z-Wave」などを利用しているが、どの無線技術が優勢ということはない。だが、今後は次のような理由からWi-Fiが主要な無線技術となることが予想される。
既存のインフラを活用できる
大半の企業は、事業所の広い範囲にWi-Fiインフラを導入済みだ。クライアントやアプリケーションは日常的に追加されている。IoTベースのアプリケーションではデータ転送が不定期に行われ、やりとりされるデータ量も限られていることが多い。そのため、ほとんどの場合、負荷が増えても問題になることはないだろう。また、企業のIoTアプリケーションの多くは既にWi-Fiネットワークに接続しているスマートフォンや類似デバイスで実行される単なるアプリケーションにすぎない。Wi-Fiは容量、受信可能範囲、使い勝手の良さでもメリットがある。
拡張性
しばらくの間は、Wi-Fiの受信可能範囲と容量を拡大する作業が必要になるだろう。短期的には、802.11acがこのニーズの大部分に対処することになる。多くの企業でアップグレードが順調に進むにつれ、市場では802.11acに対応したIoTデバイスの増加が予測される。「802.11n」との下位互換性によって、802.11ac未対応のデバイスについても対応できるだろう。「IEEE 802.11ah」は規格を1GHz未満の周波数帯に拡張し、低帯域幅を利用するアプリケーション用に改善した通信性能(それにより拡大した通信可能範囲)を提供する。さらに、「802.11ad」標準によって既に60GHzの多くの周波数帯が利用可能になっている。範囲は多少限られるものの、およそ7Gbpsと実質無制限の容量が提供される。このようにWi-Fiは、他のどの無線技術よりも広範な周波数帯へのアクセスを可能にする。これは無線技術が成功する上で必須の基本事項だ。
セキュリティ
恐らくWi-Fiは、今日の無線技術で利用可能な最も堅牢なセキュリティを備えている。また、Wi-Fiチップセットは簡単に実装できる。セキュリティはどのネットワークアプリケーションにとっても極めて重要である。企業のIoTネットワークも例外ではない。
すぐに使える各種Wi-Fiモジュールなど、低コスト、省電力、省スペースの実装手段も提供されている。IoTの要件は低いと考えられがちだが、最大限の容量と高いスループットが要件になる事象が発生した場合、その両方を満たせるのはWi-Fiだけだ。今後ますます多くのケースで、この2つが要件となることは間違いないだろう。
今日、Wi-FiベースのIoT製品が数多く出回っている。だが、その数は近い将来さらに増えることが予想される。幸いなことに、ネットワーク運用部門の管理者や担当者が検討すべきは拡張性だけだ。また新たな無線技術について学習しサポートしなければならないことを心配する必要はない。
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