Apple×IBM協業でモバイルアプリ開発は加速するが……
「メール」以外の仕事用スマホアプリを開発する意味はあるのか?(1/2 ページ)
クライアントPC向けの業務アプリケーションが相次いでモバイル化されている。ただし、多くの従業員がモバイル業務アプリケーションを必要としているかどうかは話が別だ。
多くの企業では、複雑な業務アプリケーションをモバイル端末で利用可能にする必要性はそれほど高くない。企業はまず、基本に集中することが重要だ。
ビジネスクリティカル(事業運営に不可欠)なアプリケーションをモバイル化する必要性は業界によって異なる。ただし専門家によれば、内勤がメインの従業員の間では概して、「モバイル端末ではメールの送受信とドキュメントの閲覧・送信さえできれば十分」との考えが主流だという。
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必要とされない「モバイル業務アプリ」
モバイルアプリケーションの開発配信ツールはここ数年で成熟している一方、内勤の従業員は特定業務のためのカスタムアプリケーションについては、そのモバイル版をそれほど求めていないようだ。
米調査会社Gartnerが2015年2月に公開した報告書「Mobility Is Having a Major Impact on IT Support」(モビリティがITサポートに多大な影響をもたらす)によると、調査対象の全122社のうち、「基幹業務アプリケーションをモバイル対応している」と回答した企業は半分以下にとどまる。
「多くの従業員にとっては、『モビリティ』とは依然として、メールと恐らくその他数種の生産性アプリケーションへのアクセスを意味しているのだろう」。英調査会社Ovumの上級アナリスト、リチャード・アブサロム氏はこう指摘する。
アプリケーションのリファクタリング(動作を変えずにアプリケーションの内部構造を改善する作業)支援ベンダーである米PowWowで最高経営責任者(CEO)を務めるアンドリュー・コーエン氏によると、企業がモバイル化に取り組む際にまず着手すべきは、メールやメモ帳、カレンダーといった生産性アプリケーションを提供することだという。ユーザーが最も必要としているのはこうしたアプリケーションであり、「モバイルデバイス管理(MDM)」や「モバイルアプリケーション管理(MAM)」製品を使えば、こうしたアプリケーションの管理やセキュリティ対策は容易だからだ。
「誰もが自分のiPadで仕事をこなせるようにするためには、まず生産性アプリケーションを使えるようにする必要がある。複雑なアプリケーションを提供するのはその後だ」とコーエン氏は語る。
米ボストンに拠点を置く、あるグローバルな法律事務所が採用しているのもそうしたアプローチだ。この法律事務所は、モバイルユーザーが米AppleのiOSの「メール」かサードパーティー製の「TouchDown for Smartphones」のいずれかのアプリケーションを使い、会社のメールへアクセスできるようにしている。「ごく基本的な取り組みだが、弁護士の生活は人との連絡が95%を占めており、メールや添付文書には大事な情報が詰まっている」と、この法律事務所のIT責任者は語る。
メールやその他のモバイルアプリに含まれる業務データを保護すべく、この法律事務所のIT部門は米MobileIronのMDM製品を導入し、従業員が所有する全てのモバイル端末に対して暗号化やパスワードの長さ/複雑さ、スクリーンロック、リモートワイプについてのポリシーを強制適用している。さらに、所属弁護士が他のスタッフの名前や肩書、電話番号を簡単に見つけることができるように、Webベースのアプリケーションも展開する計画だという。
「技術的には特に面白い取り組みではない。ただし、多くの人がモバイル端末に本当に求めているのはこうしたことだ。実際、弁護士からはカスタムアプリケーションの要求はない」と、前出のIT責任者は語る。
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