計画に向けて考えたい4つのステップ
ハイブリッドクラウド構築、数Pバイトのデータを持つユーザーだけが分かっていること(1/2 ページ)
データおよびストレージの管理者は、ハイブリッドクラウドのシナリオに着手する前に、本稿で紹介する4つのステップを予備計画に加えることをお勧めする。
中小企業の多くは、自社のITインフラの大部分をクラウドに移行している。一方、大企業は幾つかのSaaSを使用している程度で、クラウドを導入する動きは緩やかだ。大企業のデータセンターは適切なインフラや担当者が配置済みであるだけでなく、規模も非常に大きい。そのため、クラウドはデータセンターほど魅力的ではない。大企業にとっては、オンプレミスのインフラとクラウドを活用できるハイブリッドクラウドモデルがより効果的なアプローチになる。ハイブリッドクラウドは完璧ではない。だが、以下の4つのステップを踏むことで、データストレージの管理者はハイブリッドクラウドの構想を最大限に活用することができる。
ステップ1:インフラを知る
クラウドを活用する前に、企業は既存のインフラ(特に保存されているデータ量)とクラウドに配置するデータ量を把握しておく必要がある。この評価を行うときには、次の2つの要因が関わってくる。
インフラとクラウド間のファイル転送にかかる時間
転送にかかる時間の影響は、アクセスしたファイルのサイズやクラウドの転送速度によって異なる可能性がある。比較的小さなファイルに不定期にアクセスする程度なら、クラウドは理想的なストレージ領域になり得る。だが、大きなファイルに定期的または不定期にアクセスする必要がある場合、クラウドは理想的なストレージ領域とは言い難い。
クラウドへのアクセスが発生する場所
例えば、オンプレミスのデバイスからクラウドにアクセスすると、待ち時間は長くなる。一方、クラウド内部からのアクセスなら、待ち時間が問題になる可能性は低い。具体的には、クラウドのデータにクラウドのインスタンスがアクセスする場合だ。
詰まるところ、インフラの評価とは、企業がどのようなデータを持っていて、どのようなシナリオでデータにアクセスするかを理解しているかに尽きる。
ステップ2:クラウドの強みを活用する
クラウドが得意とする領域ではクラウドを活用すべきだ。クラウドは“一時的なもの”に特に強い。例えば、特定のデータセットを処理するために何十台もの仮想マシン(VM)をインスタンス化して、後でVMをスピンダウンすることができる。
一方、クラウドが最も苦手とする領域は、ストレージなどの持続的な事柄だ。数Pバイトものデータをクラウドに長期間保存しなければならないと、毎支払いサイクルで必ず同じ容量を再購入する必要が生じるため、コストは高くつく。容量の要件が大企業に比べて緩やかな中小企業では、このことが問題になる可能性は低い。だが、大企業にとっては、パブリッククラウドを使用するよりも、自社専用のプライベートクラウドを構築した方がコストを抑えられる可能性は高い。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
3
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
6
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
-
7
AI導入が失敗する“真犯人”は現場のマニュアル 7割が陥る「標準化」のわな
-
8
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
-
9
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
10
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー