佐野日大学園がIT活用で目指すもの【後編】
佐野日大学園が作った「いつでもどこでも学べるシステム」の中身とは?(1/2 ページ)
佐野日本大学学園は、Windowsタブレットの活用効果を高めるべく、インフラやシステムにも工夫を凝らす。その実態を解き明かす。
前編「『iPadは簡単すぎる』 佐野日大学園がWindowsタブレットを選んだ予想外な理由」では、佐野日本大学学園(栃木県佐野市)でIT活用の陣頭指揮を執る、佐野日本大学高等学校・佐野日本大学中等教育学校のICT教育推進室室長である安藤 昇教諭の話を基に、同学園がWindowsタブレットを導入したいきさつを詳しく解説した。
後編では、同学園のタブレット活用を支える無線LANを中心としたネットワークインフラに加え、同学園が独自開発したオープンソースソフトウェア(OSS)ベースの学習基盤システム「デジタルキャンパス」の詳細を説明する。
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生徒の思考を止めない、授業を止めないインフラを実現
タブレットの導入と同じく2014年に、同学園が新たに整備したのが無線LAN環境だ。シスコシステムズの無線LANアクセスポイント「Cisco Aironet 2600シリーズ」を216台配備。同社の無線LANコントローラー「Cisco 5508 Wireless Controller」2台で統合管理している。
佐野日大学園が無線LAN環境構築の際に最も重視したことは、生徒の思考を止めない、授業や教育活動を止めないインフラの整備だったという。中でも安藤教諭がこだわったのは、「無線LANのアクセスポイント間を生徒が移動しても、タブレットが電波から途切れないこと」だった。
例えば、校内に設置したネットワークに関する主要な機器は、全て冗長化を図った。プライマリの機器がダウンしても、アクティブスタンバイしているセカンダリの機器に自動的に切り替わる仕組みだ。またIPアドレスの安定供給を図りつつ、不正端末による接続を防ぐべく、DHCPサーバにはソリトンシステムズの「NetAttest D3」を採用し、冗長化して導入した。NetAttest D3は、事前にMACアドレスを登録した端末にのみIPアドレスを払い出す機能を備える。こうした工夫により、今までに生徒と教職員合わせて約2000人が同時接続しても、「インフラの問題で通信が途切れたといったトラブルは一度もない」と安藤教諭は言い切る。
さらに無線LAN環境と併せて、内田洋行の無線映像伝送機器「wivia」を120台導入。敷地内に設置された全てのデジタルテレビに教員の画面を投影できる環境も整備した。活用の一例としては、職員室にいる教員が自分の端末の画面を教室のデジタルテレビに投影しながら、朝の連絡事項を伝達する、といった具合だ。これにより、これまで連絡事項の伝達に使っていた朝の時間を生徒と教員のコミュニケーションの時間に変えるなど、情報伝達・情報共有の効率化に生かしている。
マルチデバイス環境を見据えて認証も工夫
安藤教諭は無線LAN構築時から、長期的なビジョンとして「生徒がいずれ複数種類の端末(マルチデバイス)を使うシーンを想定してきた」と話す。というのも、既にデジタルキャンパス(詳細は後述)内にあるデータの共有や読み込み、板書の撮影などに、生徒がタブレットだけでなく、個人のスマートフォンを活用する動きが見られるようになったからだ。
さらには「タブレットじゃなく自宅のノートPCを持ってきたい」といった生徒の声も聞かれるようになり、1人の生徒がマルチデバイスを使い分けて学習するスタイルが現実味を帯びてきた。そのため無線LAN構築時に、ソリトンシステムズの認証アプライアンス「NetAttest EPS」を2台導入し、ID/パスワードを入力すれば無線LAN接続ができるようにするWeb認証を採用して、多様な端末を接続できるようにしたという。
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