特集/連載
真面目でやる気があるほど失敗するプライベートクラウドの危険:肝心なのは身の丈に合った計画
プライベートクラウドの構築には多大な労力が伴う。企業は、プライベートクラウドの構築に必要なリソースを確保できているかを確認しなければならない。確保できていないなら、他の手段を検討するのが賢明だ。
多くの業界において、パブリッククラウドコンピューティングを導入する動きが2011年あたりから急速に活発化していた。パブリッククラウドの導入によって、設備投資の削減やコンピューティング機能をビジネス需要に合わせて素早く順応できることを多くの企業が評価したからだ。
しかし、米国の銀行はそのような流れを敬遠していた。多くの銀行にとってパブリッククラウドがもたらすメリットよりセキュリティやデータの保管場所に関する規制に準拠し続けることへの懸念が大きかったからだ。
State Streetもこのような懸念を抱いていた企業の1つだ。ボストンを拠点に世界29カ国に支社を構える金融サービスプロバイダーのState Streetは、データ保護に関する国際的規制の対象となる。そのため、同社がパブリッククラウドを導入するには、規制への準拠とクライアントデータの保護という大きな課題の対応が最優先事項となっていた。
併せて読みたいお勧め記事
プライベートクラウド受難の記録
- プライベートクラウドへの道のりは平たんではないのだよ
- “ダメなプライベートクラウド”を生み出す8つの兆候
- 「誰の役にも立たないプライベートクラウド」はなぜ生まれるのか
- 実導入率13%の裏側、プライベートクラウドが脚光を浴びない理由
- プライベートクラウドの導入はなぜ進まないのか?
- プライベートクラウド導入前に自問自答すべき“5つの質問”
- プライベートクラウドの導入・実装における3つの考慮点
- 伸び悩むプライベートクラウド、普及の鍵は技術への正しい理解
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.