クラウド方式の選択は慎重に
プライベートクラウドへの道のりは平たんではないのだよ
プライベートクラウドには数々のメリットがあるが、それを構築して管理するのは容易なことではない。あなたの会社は大丈夫だろうか。
プライベートクラウドかパブリッククラウドか、それともハイブリッドITか――。
どちらのクラウド方式を採用するかというのは、自分の目的に合った傘を買うようなものだ。
少し極端な例えかもしれないが、そこはどうかご容赦いただきたい。
私は長い間、ボストンに住んでいる。この街はとかく湿りがちで、雨や雪、みぞれなどが何日も続くことが多く、私はこれまで何本も傘を買った。どれもドラッグストアで売っている安物ばかりだ。この前の日曜日もそうだ。収まる気配のない強風が吹き荒れ、冷たい雨が鋭い角度で吹きつける中、私は意を決して安物の傘で外に出たものの、案の定、傘はすぐに裏返しになっていまい、私の凍える指から飛んでいきそうになった。役に立たない傘にうんざりすると同時に自分自身の愚かさにもうんざりした私は、次からはこうした状況にも耐えられる傘を買おうと心に決めた。ぐしゃぐしゃになった傘をごみ箱に捨て、通りすがりの最初の店に入ってクレジットカードを出し、その店の中で一番大きく、最も本格的で、一番値段の高い傘を買った。「これでもう一滴の雨にもぬれる心配はないぞ」と思ったその2分後、ボキッという音が聞こえた。私の高級傘の骨が折れてしまったのだ。この場合はフード付きレインコートを冬コートの上から羽織った方が賢明な選択であり、その方が費用対効果も高かった。
企業がプライベートクラウドの道に進むべきかどうかを検討する際に最初に確認すべきことは、どのタイプのクラウドが最も費用対効果に優れた方法で自社のニーズに対応できるのかということだ。米大手金融機関のState Streetなどの大企業は、独自のプライベートクラウドをオンプレミスに導入することにより、新製品の素早い市場投入や、拡張性の高いセキュアなコンピューティング基盤の確立といった成果を収めているが、社内のプライベートクラウドを構築して管理するというのは複雑で困難な技だ。多額の資金、ハードウェアへの大規模な投資、そして間違いを許容できる余裕が必要なのだ。全ての企業が必要な条件をそろえているわけではない。
米国のPension Benefit Guaranty(年金保証公社)でチーフクラウドアーキテクトを務めるパメラ・ギャランティ氏は「プライベートクラウドのコストに関係する要素としては、既存のITリソース、ITスタッフのトレーニング、クラウドソフトウェアの管理、24時間アクセス可能にするための労力などが挙げられる」と話す。
先日の暴風雨のときは、私はクレジットカードを出すのが早過ぎたようだ。読者には私と同じ間違いをしないでもらいたい。特に何百万ドルものお金が絡むような場合には。
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