技術革新で100TB超へ
高額な大容量SSDがバックアップ用途でも普及、HDD置き換えが急速に進む理由は
大容量SSDは、バックアップとリカバリーの計画にメリットをもたらす可能性がある。SSDを使用することでバックアップ処理時間はどのように短縮されるのだろうか。
バックアップとリカバリーの計画にSSDがどのような役割を果たすのだろうか。SSDは高速だがHDDに比べればまだ高価だ。この疑問を解明するにはバックアップと災害復旧(DR)の両方を内側から見ておく必要がある。
2016年10月時点で1TBのSSDの価格が非常に下がっており、販売代理店での小売価格は3万円前後だ。この価格は、バックアップやアーカイブ用として主力のHDDに比べるとかなり高額だ。HDDなら同じ価格で4TB以上の容量を確保できる。
バックアップの処理時間に目を向けると、SSDは興味深いものになる。従来のバックアップ処理の多くは時間がかかりすぎだ。またストレージ数が増えるにつれ、この時間は延びていく。ゲートウェイ機器を使用してクラウドにデータを移行する方法もあるが、WANのパフォーマンスは決まっており、限界がある。このような点から、設計の一環として優れたバッファが不可欠になる。
この点で、大容量SSDがバックアップとリカバリーの計画に大いに役立つ可能性がある。データはSSDを使用してゲートウェイに保管できるが、その際に一組のSSDをミラー構成にすることでデータの完全性が確保される。また大容量SSDならバックアップの並列ストリームを多数実現できる。限界を決めるのはLAN接続の容量しかない。これにより、バックアップの処理時間が大幅に短縮される。
またデータをWAN経由でクラウドに送信する前にデータを圧縮して重複ファイルを取り除いておくことも必要だ。SSDは帯域幅が広いため、送信前にバックグラウンドジョブでファイルサイズを削減することも可能だ。これにより、クラウドのスペースが節約され、ネットワークトラフィックに余裕が生まれる。
大容量SSDは、耐久性や速度を高める構造を持つ「3D NANDチップ」といったテクノロジー向上により価格が下がっている。2017年にはドライブ当たり100TBという大容量に達し、バックアップとリカバリーの計画の最適化が更に進むことになる。そうなれば、バックアップデバイスの選択肢は、当然HDDから高速かつ大容量のSSDに移る。大容量SSDを採用すれば省電力かつ省スペースになることに加えて、特定容量を確保するために必要なストレージ機器数も大幅に減る。
ローカルのバックアップ機器とバックアップクラウドストレージの両方に高速ストレージを使用することで、各ファイルのリカバリー時間も短縮される。ほとんどのバックアップアプリケーションは、最近使用したデータを数日間ローカルにキャッシュしている。これはバックアップデータへのアクセスの70%超が、バックアップ直後の数日間に行われるという観察結果に基づく動作だ。この仕組みによりローカルファイルはすぐに利用できるようになる。一方クラウドファイルは、どのファイルに関してもかなり高速に検索できる。リカバリーアプリケーションもクラウドで実行されている場合は、特に高速にファイルを検索できるだろう。
今後数年でプライマリーストレージは、不揮発性メモリの標準規格「NVDIMM」や新しい高速インターコネクト「Gen-Z」ストレージクラスメモリという更に高速なストレージにシフトする。そのため、こうしたプライマリーストレージのパフォーマンスに対応するには、SSDベースのバックアップとリカバリーの計画が不可欠になる
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