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SSDが不可欠な“圧倒的に低コストなストレージ”、そのシステム構成は?RAID戦略と決別

ストレージの容量は急速に増加している。最新のストレージ技術をうまく利用すれば、ストレージの予算を跳ね上げることもなく、ニーズを満たすことができる。その方法とは。

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 多くのストレージの専門家は、今後数年間でデータストレージの規模が急速に拡大すると見込んでいる。Red Hatが最近実施した調査では、容量のニーズが3〜5年以内に54%高まることが示唆されている。これは全回答者の平均値だ。さらに、回答者の実に94%が現在の実装に不満を抱えており、大多数が容量とワークロードの増加に対処できないことを危惧していた。

 ストレージがIT予算に占める割合には若干の変動が見込まれるが、13%が14.5%になるという程度のものだろう。つまり、容量の増加と同じタイミングで古い機器を置き換える場合、IT部門はストレージ容量についてより良い計画を立てなければならない。

 苦境から抜け出す策を見つけるには、偏見のない多角的な取り組みが不可欠だ。多くの場合、ハイブリッドクラウドは容量の問題に対する明確な特効薬となる。クラウドには運用コストのみという非常に魅力的なモデルがある。だが、低速なWANネットワークにより、パブリッククラウドストレージとプライベートクラウドストレージ間でのデータ移行に関する問題は今もなお解決されていない。そのため、近い将来にハイブリッドクラウドを選ぶメリットは限られているのが実情だ。

ストレージ費用の大部分を占めるテクノロジー

 オールフラッシュアレイやデータサービスソフトウェアといった最新技術を利用するストレージ容量計画を立てるには、物事を俯瞰する必要がある。これには、データの管理と配置も含まれる。前述のトピックは、容量の問題とパフォーマンスや機能のニーズの両方に対処するために、実際に必要な増加量という重要な問題の核心を突いている。なぜなら、このような新しいテクノロジーはストレージのモデルを確実に変化させ、支出以上の価値を得るための新しい道を切り開くからだ。

 まず、ソリッドステートドライブ(SSD)について見てみよう。超高速のNVM Express(NVMe)製品は、エンタープライズクラスのHDDと比べると今でもかなり高価である。だが、データはRAIDアレイに集中させるのではなく、アプライアンス間で分散されるように変化している。そのため、SATA SSDは、ほとんどのサーバワークロードに適している。SATA SSDによってパフォーマンスが向上することで、特定のワークロードに必要なサーバの台数を抑えて、全体構造は事実上安価になる。

 SAN指向の企業向けの代替案として、オールフラッシュアレイはIOPS(1秒当たりのI/O)を劇的に向上させることができる。オールフラッシュアレイはパフォーマンス層として機能する。そのため、古いディスクアレイを使用頻度の低い予備の層に格下げできる。ここでも、ストレージのパフォーマンスの向上によって必要なサーバの台数を抑えられる可能性がある。その結果、より手ごろなストレージ容量計画が完成する。

 大多数のオールフラッシュアレイは、バックグラウンドで動作するデータ圧縮ソフトウェアを搭載している。このソフトウェアによって、アレイはIOPSが数百万に向上するパフォーマンスを活用できるようになり、保存されたデータの重複排除や圧縮を行うジャーナリングの書き込みメカニズムが実現する。このようにデータが削減された結果、オールフラッシュアレイで必要な容量はずっと少なくなり、新しいハードウェアを追加せずに古い予備のストレージにより多くのデータを蓄えることが可能になる。

 現在、オールフラッシュ製品は「Linux」「Windows」「Oracle Database」をサポートしており、NASの分野では同様の高速化を実現できる。オールフラッシュアレイの価格競争により、良質な製品は手ごろな価格で手に入れることが可能であろう。

 SSDとオールフラッシュアレイの価格がどちらも良心的であることが分かれば、「ユーザーが使用するストレージの容量をストレージ容量計画の予算内に収められるのか」という疑問が浮かぶかもしれない。現実は、得てして複雑なものだ。ハイパーコンバージドシステムやクラウドとのマッシュアップが見られる中で、サーバとストレージに関する複雑さ全般が見直されている。また、RAIDはデータの整合性や可能性に対する選択肢としては推奨されず、ファイバーチャネルSANは、RDMA(Remote Direct Memory Access)の有無にかかわらずイーサネットに押されている。つまり、データセンターストレージの短期的な目標が長期的な目標と混在しているため、計画のプロセスが一部停滞することになる。

非構造化データの増加への対処

 企業は既存の計画を長期的な戦略に持ち越す選択肢を考えなければならない。つまり、RAIDファームやHDDファイルマネジャーの拡張は除外する可能性が高いということだ。その上で、数年後のデータ構造についてよく考えることが肝要だ。多くのIT部門にとって増加が予想されるデータの多くは、非構造化データである。そのため、ストレージ容量計画にはオブジェクトストレージを組み込まなければならない。

 ソフトウェア以外にも、オブジェクトストレージアプライアンスやハイパーコンバージドシステムが同じ場合もある。「Ceph」といったオープンソースの分散ストレージシステムによって、オブジェクトストレージアプライアンスには、手ごろな価格ですぐに使える市販の製品も存在する。このような製品のTB単位のコストは、従来のデータストレージ機器と比較してはるかに安い。オブジェクトストレージソフトウェアは、“ユニバーサル”ストレージとして、フィルターを提供してデータへのアクセスをブロックするまでに成長している。この機能によって、オブジェクトアプライアンスは、将来的なストレージ容量の増加に関して非常に魅力的な選択肢となるだろう。

 もう1つの案は、社内ストレージのための資本支出を避ける手段として「サービスとしてのストレージ」の導入を考えることもできる。Zadara Storageなどの企業は、エンタープライズクラスのストレージをオンプレミスでレンタルするサービスを提供している。このサービスによって、構成を素早く変更し、資本予算に悪影響を与えるリスクもなく、最先端機器を試用することができる。例えば、オールフラッシュアレイ、フラッシュキャッシュ、SATA SSD、キャッシュ重視の大容量HDDなどがある。

 圧倒的な低コストで大容量のストレージを実現するには、過去のRAID戦略と決別し、新時代のベンダーを探して、ストレージに関する問題に対する新たなアプローチを検討する必要があるだろう。

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