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Open Compute Projectが目指した「データセンター電力効率99%超」、その成否は?:連載「最新のOpen Compute Projectで何が変わった」第4回(1/3 ページ)
そもそもFacebookがサーバをはじめとするデファクトスタンダード規格を提唱したのは、データセンターの電力効率を改善するためだった。その試みは成功したのだろうか。
連載「最新のOpen Compute Projectで何が変わった」
2007年のIntel Developer Forum(IDF Fall 2007)であった、コンピュータ省エネルギー化の推進団体Climate Savers Computing InitiativeとIntelが共同で行った講演。データセンターにおける電力効率の悪さは2007年から問題になっていた(出典:IDF Fall 2007の講演資料)《クリックで拡大》
データセンターに設置したサーバをはじめとする電力効率の悪さは2007年から問題になっていた。Intelが行う世界規模の開発者会議「Intel Developer Forum」(IDF)の2007年会議でも、この問題は主要な議題として取り上げられている。
このような状況において、Facebookがサーバやネットワーク、ラック、電源回りなどデータセンターを構成する各種機器に対する標準規格を策定した本来の目的は何か。それは、同社が所有する膨大な数のデータセンターとそこで動くサーバなどの運用コスト、特にその多くの部分を占める“電気代”を抑制するために、電力効率の高いサーバやストレージ、ネットワーク機器を用意するためだった。同社としては、最新規格の対応以上に電力効率の改善(最終的な目的はそれに伴う電気代の節約)が重要だったりする。
そこで、今回はOCPで最も重要な仕様案件ともいえる「電源周り」を取り上げる。OCPの第1回でも言及しているが、ここでもう一度、データセンターの消費電力の状況を示す指標「PUE」(Power Usage Effectiveness)について把握する。それから、OCPにおいて策定している電源関連の規格とその効果を確認してみる。
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