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「無視すれば脱落」──ネットワーク技術者の意向を超えて拡大するAPI:「聞いたことはあるがよく知らない」が必須の技術に
APIは現代のネットワーク技術において必須の存在になっている。だがAPIの普及と拡大によってベンダーは、デバイス設定や管理について再考を迫られる。
わずか数年前まで、エンジニアは「API」という用語を聞いたことがあり、恐らくある程度知っているように思っていても、その多くはソフトウェア開発分野の用語だと考えていた。だがソフトウェア定義ネットワーク(SDN:Software Defined Networking)が登場すると、確立されたキャラクタユーザーインタフェース(CLI:命令文を入力してシステムを操作するユーザーインタフェース)の現実的な代替としてAPIの概念が台頭し始めた。今やあらゆる形態や規模のネットワークベンダーにとって、年月や市場への浸透度とは関係なく、APIは最低限必要な防護壁と見なされている。APIはネットワークにおいて今や必要不可欠の存在になっている。APIを理解できず使えないベンダーは取り残され、優位な地位を失うリスクが高まる。
一般的に言うと、APIはデバイスとソフトウェアが直接通信する手段であり、独自のCLIやGUI(グラフィックユーザーインタフェース)といった、ベンダーがこれまで提供してきたあらゆるシステム操作手段を迂回する。APIでは自分自身のインタフェースをプログラムとして用意できる。ただしそれは理念であって、多くの場合、ユーザーが予想あるいは期待するような形では実現できない。意味のある形や役に立つ形では何も実現できないこともある。
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