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AWSの最大の魅力はAPI、キヤノンのサービス開発部隊がクラウドで実現したこと開発体制をマイクロサービス化(1/2 ページ)

キヤノンの開発チームは、顧客向けサービスのシステム基盤を自社運用からAWSへ切り替えた。運用の自動化、開発体制の刷新を図り、機能実装のスピードを大幅に向上することに成功した。

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 映像機器や複写機を製造するキヤノンは、ユーザーに自社の複合機をより効果的に活用してもらうため、「Canon Business Imaging Online」というドキュメントサービスを提供している。当初キヤノンは同サービスを自社で開発・運用していたが、2014年3月にクラウドサービスの「Amazon Web Services」(AWS)へ切り替えた。AWSを採用したことで、開発体制の刷新、新機能のリリース間隔の短縮などを果たした。

運用作業に逼迫され、開発に注力し切れなかった過去


キヤノン 八木田 隆氏

 キヤノンが提供するCanon Business Imaging Onlineは、同社の複合機に付随するサービスだ。印刷体験をより良いものにするため顧客向けに提供している。

 「昨今、人々の印刷方法がPC経由のみならず、モバイルデバイスやクラウドサービスを経由するなど、印刷を取り巻く環境が変化しています」と話すのは、AWS導入を主導したキヤノン 映像事務機器事業本部 主席の八木田 隆氏だ。

 Canon Business Imaging Onlineは、Salesforceの営業支援SaaS(Software as a Service)「Sales Cloud」や顧客サービス支援SaaS「Service Cloud」などのサービスと連係し、帳票を多様な形態で出力・印刷する。また複合機には定期的なメンテナンスがつきものだが、こうした運用管理の負担を軽減する機能も備える。

 キヤノンは当初、同サービスを自社で開発・運用していた。可能な限り運用を自動化してきたが、機能数や顧客数の増加に伴い運用管理の負担は大きくなる一方だった。インフラの運用管理に半分以上の時間を割かなければならず、新機能の実装に十分な時間を割り当てられずにいたという。

 「新機能のリリースは四半期に1回がやっとでした。お客さまからのご要望が次の更新に間に合わない場合は、お応えするまで半年もかかっていました。お客さまからは、開発スピードの向上が求められていました」(八木田氏)

 こうした状況を改善すべく検討したのがクラウドへの移行だ。

 八木田氏は、初めてAWSに触れたときに衝撃を受けたと話す。「われわれも運用の自動化を頑張ってきましたが、ここまで高性能で使いやすい、高い稼働率のクラウドは作れないと思いました」。AWSをまねすることも考えたが、開発チームの人数や開発に掛かるコストを考えると「同じようなものを自社で作るよりも、既にあるAWSを使う方が早いという結論に至りました」と同氏は述べる。

AWSは全てのコンポーネントがAPI連係できる

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