ユーザー企業は「価格重視」志向
調査で分かったバックアップアプライアンス市場動向、「ディスク」「クラウド」に注目
今は大量のデータが急速に生成され、それに伴ってリスクが増加している時代だ。そんな状況におけるバックアップ市場のニーズを満たしているのが、クラウドとディスクベースのストレージアプライアンスだ。
バックアップストレージとしてのディスクアプライアンスが売り上げを伸ばしている。また、昨今ではバックアップストレージにクラウドサービスを採用する企業も増えている。事実、IDCが実施した最新の調査結果によると、2016年第2四半期、バックアップ専用アプライアンス市場は8億7100万ドルに成長し、前年比11.5%の成長を記録した(IDCの定義では、バックアップ専用アプライアンスとは「バックアップ先として使用するスタンドアロンのHDDベースのアプライアンス」となっている)。この市場は、2016年第2四半期に大いなる好ましい変化を経るとともに確固たる収益成長を遂げている。
バックアップアプライアンス市場がこのように継続的な成長を遂げている一因は、バックアップベンダーが顧客を獲得するために実施している「(価格の)割引」にあると考えられる。回答者の12%が、バックアップアプライアンスの購入時に25~49%の割引を受けたと答えている。また、それより低いものの何らかの全体割引を受けたと答えた回答者は3分の1に上っている。そのことを踏まえると、バックアップ製品購入時の主な決め手が「価格設定」(57%)であっても不思議はない。なお、その後に続いているのは「実装しやすさ」(47%)、「機能セット」(46%)、「メーカーの評判」(41%)だ。
ディスクベースバックアップに関する展望
ディスクベースのバックアップアプライアンスに企業が求める重要な機能としては、「容量」が最多で、2~4位が「管理しやすさ」「実装」「スケーラビリティ」という結果になっている。この上位4つには遠く及ばないが、「目標復旧地点と目標復旧時間」「重複排除」「スナップショットとレプリケーション」「継続的データ保護(CDP)」なども重要な機能として挙げられている。
ただし、購入したバックアップハードウェアにレプリケーション機能やCDP機能が搭載されていると答えた回答者は74%にも上る。現在、データ保護のベストプラクティスとして推奨されているのが「標準的なバックアップ手法にスナップショット、レプリケーション、CDPを組み合わせて使用すること」である。この手法により、さまざまなレベルでデータの復旧が最大限に強化されるという。そのため、これらのテクノロジーをディスクベースのバックアップアプライアンスに統合するベンダーが増えているのは、自然な流れといえる。
HDDバックアップアプライアンス市場における消費者の購入傾向を容量の点から見てみよう。10TB未満のストレージを購入した回答者が最も多く(33%)だ。それ以外の大半の回答者は10~49TB(21%)、50~99TB(17%)、100~199TB(11%)のストレージを購入している。200TB以上のストレージを購入した回答者は非常に少なく、ペタバイトクラスのストレージを購入した回答者はわずか5%だった。
クラウドストレージに関する展望
ディスクベースのバックアップアプライアンス市場は順調に伸びていく可能性がある。だが、補助的または専用のバックアップ先としてクラウドを使ってバックアップニーズを満たそうとする企業も続々と増えている。57%の回答者がクラウドストレージの用途を「バックアップ」と答えている。54%の「災害復旧」をわずかに抑えた形だ。
ディスクと同様、バックアップにクラウドストレージを利用する場合は、比較的容量が少ないものが選ばれる傾向にある。10TB未満を選んだ回答者は40%、10~49TBが16%、50~99TBが10%だった。興味深いことに、ペタバイトクラスのストレージを選んだ回答者の割合は、ディスクベースのアプライアンスよりわずかに高い7%という結果になっている。これはクラウドストレージに転送して保存するデータの容量としては、非常に大きい。
企業がデータ保護に投資している理由は何だろうか。この調査では「データセンターの復旧機能と復元機能の信頼性向上」(51%)、「コンプライアンス問題への対処」(49%)、「データ量増加への対処」(36%)、「バックアップ処理統合の一環」(21%)が上位4回答を占めている。その後に「データ管理計画の見直し」(19%)、「バックアップ時間を短縮」(17%)が続いている。
企業が、新しい業務アプリケーションをサポートしたり、テープへの依存度を緩和したりする必要に迫られていることも、こうしたバックアップアプライアンスの売り上げ促進につながっている。それから、IT部門が、導入済みで使い慣れたバックアップテクノロジーのバージョンアップを求めていることも影響しているだろう。
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