イマドキのIT管理者が使うべきツールは
重厚長大で手の掛かるメインフレーム、メンテナンスを楽にする5つのヒント
メインフレームのパフォーマンスを最適化するツールとその方針は多岐にわたる。キャパシティープランニングから、より効率的な仮想ストレージ管理まで、検討すべき領域は幅広い。
メインフレームを利用する基盤とそれを利用しているユーザーの規模は縮小している可能性がある。だが一部のIT担当者にとってメインフレームシステムの最適化に対応することが重要なタスクであることに変わりはない。
メインフレームの効率を高めるには、ワークロード、ストレージ、プロセッサのパフォーマンスを追跡する必要がある。管理者は、リアルタイム監視やIBMの「Capacity Provisioning Manager」など、各種メインフレームツールを使用してこれらのタスクを実行できる。
この記事では、メインフレームシステムの管理を効率化するための5つのヒントを紹介する。
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パフォーマンスを測定するメインフレームツールの導入
パフォーマンスを測定するメインフレームツールには、リアルタイム監視、ニアタイム監視、ポストプロセッサの3種類が存在する。システムプログラマーとして働くロバート・クロフォード氏によれば、ツールの種類によってメリットと診断データが異なるという。
メインフレームの状態をライブで表示するには、リアルタイム監視を使用することをお勧めする。このツールを使うとユーザーはプロセスを生成時点から観察でき、パフォーマンスの問題を即座に診断して対応できる。例えば、I/Oやメモリに関連する問題などだ。ただし、オーバーヘッドの問題には注意が必要になる。リアルタイム監視は適切に実装しないとシステムパフォーマンスに悪影響を及ぼす恐れがある。
ニアタイム監視はリアルタイム分析と履歴分析をうまく両立させたものだ。ITチームはニアタイム監視を使用してデータの概要を示すことができる。ただし、IBMの「Resource Measurement Facility」の「Monitor III」のようなニアタイム監視では、データ列を並べ替えることができない。また、データは60秒間以上の間隔でしか表示しない。
最後に、ポストプロセッサを使用すると、IT担当者は大量の過去データを診断して分析できるようになる。IT担当者は傾向を追跡したり、データの概要に基づいて今後の容量の変化に備えたり、過去に起きた問題のデバッグが可能になる。ポストプロセッサの主な懸念は時間と分量に関するもので、データ量が多いと処理に時間がかかる可能性がある。翌日まで結果が分からないことも多い。
仮想ストレージの管理を簡略化する「SMFLIMxx」
アドレス空間、異常終了、リージョンによって、メインフレームでの仮想ストレージ管理は複雑になる可能性がある。だが、パラメーターライブラリ(PARMLIB)のメンバーである「SMFLIMxx」を使えば、ルールベースの手法によって仮想ストレージ管理を簡略化できるとクロフォード氏は語る。
PARMLIBメンバーの各ステートメントは「REGION」というワードで始まる。その後に、ルールの適用先となるアドレス空間を記述したフィルターが続く。フィルターではジョブ名、ジョブクラス、ユーザーまたはサブシステムを指定できる。フィルターの後には「MEMLIMIT」などの属性を記述する。MEMLIMITは1つのアドレス空間で利用できる64ビットストレージの最大容量を指定する属性だ。
SMFLIMxxを使用するメリットはあるものの、管理者がSMFLIMxxの設定を変更するときには慎重を期す必要がある。特定のタスク用に十分なストレージが確保できるようにしなければならない。
キャパシティープランニングの実行
メインフレームに容量を追加することは、別のプロセッサを作動させたり、CPUキャパシティーを追加したりすることほど簡単ではない。IBMの「z/OS 1.9」以降で利用できるメインフレームツールである「Capacity Provisioning Manager」(CPM)は、ワークロードのパフォーマンスを評価し、その情報を基に容量を自動的に開放または割り当てる。
CPMはIBMの「Workload Manager」との統合によってワークロードを監視する。管理者はワークロードの種類に応じてCPMポリシーを変更できる。
ハードウェア面では、「z/OS 2.2」のリリース以降、CPMでエンジンを追加および削除することが可能になっている。ただし、IT担当者はCPMを使用する前に、考えられる財務的な制約も含めてCPUの長所と短所を慎重に検討する必要がある。
パフォーマンスをスレッドセーフのみに頼るのは禁物
スレッドセーフはメインフレームのパフォーマンスを向上する1つの方法だ。IBMの「Customer Information Control System」(CICS)の「DB2」アプリケーションでは特に効果的だ。スレッドセーフによって、疑似再入可能タスクとタスク制御ブロックを切り替えずに済むためパフォーマンスが向上する。
クロフォード氏によると、CICS内ではプログラマーが言語環境コマンドとネイティブプログラムの呼び出しから制御を渡せるという。ネイティブ呼び出しはその基盤となる環境から独立している。また、エンクレーブの作成を回避することで、メインフレームパフォーマンスを強化できる。そのため、管理者がメインフレームシステムを扱うときには、スレッドセーフとネイティブ呼び出しの両方のメリットを考慮しなければならない。
垂直偏波で最適化できるプロセッサパフォーマンス
安定性を欠くことなくメインフレームのプロセッサパフォーマンスを最適化しようとして、IBMがその効果に期待しているのが垂直偏波だ。
クロフォード氏によると、垂直偏波によって、実働論理区画(LPAR)が同じプロセッサ上で実行し続けることになるため、キャッシュの読み取りとダンプに費やす時間を削減できるという。IBMは、結果を計測するさまざまな方法と共に、垂直偏波手法を採用した「HiperDispatch」のようなメインフレームツールを導入している。HiperDispatchと、IBMのメインフレームハイパーバイザー「Processor Resource/System Manager」により、LPARがプロセッサ上で一貫した速度で実行できる。これによりキャッシュが保持され、効率が改善する。
最善の結果を得るには、1つのLPARで使用できるCPUの数を求める必要がある。それには、各LPARのウェイト値を全LPARの合計ウェイト値で除算し、その値をCPU数で乗算する。また、管理者は、LPAR構成の計画に役立つIBMの「LPAR Design Tool」を同社のWebページからダウンロードして活用できる。
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