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なぜ、チャットbotは金融や医療業界に普及していないのか厳重なデータ保護管理は今後必須に

チャットbotは、マーケティングや会話型コマースを手始めにターゲット業界を拡大中だ。ただ、金融や医療など、重要な個人情報を扱う業界ではセキュリティ面で高いハードルに直面している。

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個人情報保護のコンプライアンス要件は、年々厳格化している

 チャットbotの構築、運用環境を提供するPandorabotsの最高経営責任者(CEO)、ローレン・クンツェ氏は、チャットbotがあらゆる業界に広がると予測している。ただし、医療や金融などの業界に導入を促すには、チャットbotはセキュリティやプライバシー保護などの高いハードルを越えなければならない。2017年5月に米サンフランシスコで開催されたイベント「Chatbots & Virtual Assistants for the Enterprise」で、TechTargetは同氏にインタビューを敢行。過度の顧客データ共有や使用がチャットbot導入企業に問題を起こし、導入を困難にしている点について、同氏から話を聞いた。

―チャットbotのセキュリティやプライバシー保護について、現在どのような問題に取り組んでいますか。

ローレン・クンツェ氏(以下、クンツェ氏) :チャットbotのセキュリティとプライバシーの懸念に苦慮している業界は、大きく3つある。医療、フィンテック、そしてコンプライアンス上「児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)」(注1)順守に気を配らなければならない業界だ。こうした業界のニーズに応えるには、長期の取り組みが必要だ。大規模な組織では、多くの場合、測定システム解析(MSA)(注2)プロセスの一環として、徹底的なセキュリティレビューを実施することになるだろう。大企業の場合は、開発工程や販売サイクルの中でも、同様のレビューの実施が必要になる。

※注1:Children's Online Privacy Protection Act(COPRA)=13歳以下の児童を対象に、個人を特定可能な情報を、親の同意なしに収集、利用、公開することを禁じる米国の法律。

※注2:統計的な手法で、品質管理データなど、ある測定データの誤差やばらつきを解析すること

“会話”だからこそ個人情報が出回りやすいリスク

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