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高速フラッシュ規格「NVMe」投資の“失敗組”“成功組”を分ける3つの検討項目「NVMe over Fabrics」にどう取り組むか(1/2 ページ)

低遅延規格「NVMe」ベースのフラッシュストレージ環境の構築にリソースを投入する前に、技術面以外に考慮すべき問題が3つある。

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NVMeへの投資前に検討すべき項目とは

 記憶媒体としてフラッシュメモリを使ったストレージ「フラッシュストレージ」は、ITの様相を一変させた。最も明白なメリットは、アプリケーションのパフォーマンス向上だ。調査会社Enterprise Strategy Groupの調査によると、フラッシュストレージのユーザー企業は信頼性とリソース効率の改善、総所有コスト(TCO)の削減といった恩恵を受けた。

 データセンターをも変えつつあるフラッシュストレージの世界で、次に注目すべき技術の1つが「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)だ。

 データパス(データが流れる経路)の全体像を思い浮かべていただきたい。アプリケーションは通常、サーバという形での処理を要求し、機器間を相互接続するインターコネクトや、SAN(ストレージエリアネットワーク)をはじめとするストレージネットワークを経由してストレージ内の記憶媒体へアクセスし、データの読み書きをする。これは非常に単純化したモデルだが、説明の便宜上だと考えていただきたい。

 HDDなど回転式ディスクを記憶媒体に採用するストレージでは、記憶媒体がデータパスのパフォーマンスのボトルネックになることが珍しくなかった。書き込みや読み込みリクエストの処理にキャッシュメモリを利用することにより、レイテンシ(遅延)は減少した。ただしシステム全体はHDDのパフォーマンスの制約を受け続けた。

 フラッシュメモリベースのフラッシュストレージの登場は、さまざまな効果をもたらした。まずフラッシュストレージはレイテンシを劇的に減少させた。その結果、IT部門はパフォーマンスを改善するのに大量のハードウェアを導入する必要がなくなり、TCOを削減できるようになった。

 データセンターインフラの管理も楽になった。パフォーマンスに余裕ができたおかげで、アプリケーションパフォーマンスの問題を定期的に分析して解決する必要がなくなったからだ。

 ストレージの記憶媒体が、データパスのレイテンシを引き起こすボトルネックではなくなったことも効果の1つだ。結果としてデータパス全体のパフォーマンスと利用率が大幅に向上した。ただしボトルネックが消えたわけではない。別の場所へ移動しただけだ。

新たなボトルネック

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