生産性を取るか、ガバナンスを取るか
チームコラボレーションソフトウェア導入時に考えるべきルールとは
チームコラボレーションソフトウェアを検討する場合、その導入はIT部門と事業部門のどちらが導入するのだろう。両部門の中間に位置するというのがその答えかもしれない。
2017年、チームコラボレーションソフトウェアは「ユニファイドコミュニケーション」(UC)と「コラボレーション」の分野で多くの注目を集めた。こうしたソフトウェアにより、分散型になっていたワークグループがコミュニケーションを取るようになり、情報を共有し、プロジェクトの中心になる業務ハブを作成できるようになる。
大半の企業は、こうしたソフトウェアがウイルスのように企業内に入り込むのを経験している。この問題を引き起こしているのはほとんどが開発者だ。会社が用意した電子メールなどのサービスよりも、チームコラボレーション製品の方が優れたツールを提供している、と感じる開発者は多い。チームコラボレーションソフトウェアは、Salesforce.comの「Chatter」のようなソフトウェアを通じて、開発者の間からIT部門へ、さらには事業部門へと広がる。チームコラボレーションソフトウェアはクラウドベースでフリーミアム(基本利用が無料、オプションが有料という仕組み)の性質を帯びているため、チームは簡単にツールをダウンロードして使える。そのためIT部門の管理が及ばないことが多い。
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チームコラボレーション最新動向
Avaya、Cisco Systems、MicrosoftなどのベンダーがUCとチームコラボレーションを集約したため、IT部門のリーダーはチームコラボレーションソフトウェアをコラボレーション戦略全体の中核機能として考えるようになっている。
UCとコラボレーションに関して調査会社Nemertes Researchが実施した最新の研究によると、チームコラボレーションソフトウェアを使用している企業は約30%、2019年末までに導入予定の企業は32%だという。評価の予定も導入の予定もない企業は20%にすぎなかった。
この調査では、チームコラボレーションソフトウェアを現在使用している企業について次のことが明らかになっている。
- 全従業員に1つのソフトウェアの使用を義務付け、全社規模で導入している企業は35%
- サポート対象のソフトウェアを全社規模で複数用意しているが、事業部門での独自ソフトウェアの導入を許可していない企業は26%
- 全社規模で用意しているソフトウェアはなく、IT部門の管理外でチームが独自にソフトウェアを導入している企業は19%
- 全社規模でソフトウェアを用意しているが、必要に応じて独自ソフトウェア導入を事業部門に許可している企業は20%
こうしたデータはジレンマが生まれていることを表している。1つのツールで全てまかなうアプローチが必要だが、IT部門はそれを見つけられないといったジレンマだ。
IT部門による統率
大半の企業は、時間を掛けて全社規模のアプローチへ移行する可能性が高い。そのような状況では、企業が用意したソフトウェアのみの使用を従業員に義務付けるか、正当な理由がある場合に限り事業部門での代替ソフトウェアの使用を許可することになるだろう。IT部門の責任者は、コラボレーションソフトウェアやセキュリティとガバナンスの管理を、1つのソフトウェアに統合したいと考えている。
だが、営業部門、ソフトウェア開発部門、人事部門では、既にワークフローを何かのチームコラボレーションソフトウェアに統合しているかもしれない。あるいは、こうした事業部門が、他のソフトウェアベンダーからソフトウェアの機能を入手してかもしれない。
ユーザーに1つの企業標準を押し付けると、生産性の低下を招き、競合が生じ、悩みの種が増えるかもしれない。IT部門にとっては、これは避けたいことだ。つまり、全てを1つのツールでまかなう万能のアプローチが最善なのか、さまざまなチームコラボレーションソフトウェアをサポートすべきなのかを考えることになる。
端的にいえば状況次第だ。導入の初期段階にある企業、つまり全社規模で1つの戦略を義務付けるコンプライアンスとガバナンスのニーズがある企業には、全てを1つのツールでまかなう万能のアプローチが唯一の選択肢になるだろう。だが、個々のワークグループが必要とする柔軟性をサポートできるのであれば、全社規模の標準ソフトウェアを用意しながら、各部門のワークフローに最も適したソフトウェアを使用できるようにするのが魅力的な代替手段になる。
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