GDPRやセキュリティの観点からも考察
ネイティブにこだわらないモバイルアプリケーション開発(MADP)「Sapho」とは
エンドユーザーは、通知や複雑なインタフェースにうんざりしている。本稿では、あるモバイルアプリケーション開発(MADP)ベンダーが現代のユーザーの要求に応える方法を紹介する。
複雑で一貫性のないエンタープライズモバイルアプリケーションに不満を感じるエンドユーザーが増えている。そこで、シンプルさを最優先にするアプリケーション開発プラットフォームが注目されている。この考え方に重きを置いたモバイルアプリケーション開発プラットフォームが「Sapho」だ。企業はこのプラットフォームを使って、従業員が複数のリソースにアクセスする統一インタフェースを構築できる。そう話すのは、SaphoのCTO兼共同創設者のピーター・ヤレド氏だ。2018年5月、Saphoは一貫性と一体性をさらに高める取り組みとして、Microsoftの「Windows 10」との統合を発表した。これによりIT部門は、Windows 10搭載のデバイスを使用するエンドユーザーに、イベントドリブンに通知したり、マイクロアプリケーションをネイティブに送信できたりするようになる。
本稿では、プログレッシブWebアプリケーションの導入やユーザーインタフェース重視の増加など、モバイルアプリケーション開発の最新トレンドについてヤレド氏に話を聞いた。
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MADPのトレンド
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使える:モバイルアプリ開発のツールとチェックリスト
――企業は従業員のために、モバイルアプリケーションやデスクトップアプリケーションを増やしていると思いますか。
ピーター・ヤレド氏(以下ヤレド氏) 今モバイルデバイスには、15個ぐらいのアプリケーションがインストールされている。だが、その全ての見た目は異なっている。そして、その全てからの通知に悩まされることになる。ナレッジワーカーなら、ほぼ全ての時間をPCの前ですごす。Saphoは当初、モバイルとデスクトップをサポートするところから始めた。そして、その用途の大半はモバイルになるだろうと考えていた。だが、実際そうはなっていない。
(エンドユーザーは)大量の通知を望んでいない。他人が申請した経費報告書の通知をApple「iOS」ホーム画面に表示しても意味はない。だが、14日間も処理を待っている発注があり、ベンダーが間もなく入札するというプッシュ通知なら価値がある。Facebookがユーザーの過去の使い方や友人を基に、そのユーザーが関心を持ちそうなことを表示していた時期も短期間だがあった。当然、全く間違いだらけだった。だが、その種のアルゴリズムは機能していた。この点にSaphoは取り組んでいる。アルゴリズムを使って、こうした通知を整理する。
――モバイルアプリケーション開発の最新トレンドは他に何がありますか。
ヤレド氏 ネイティブアプリケーションにこだわらず、プログレッシブWebアプリケーションに向かう動きがある。例えば、以前CBSで働いていたとき、iOSとGoogleの「Android」向けにゲーム「CBS Sports Fantasy」のコーディングを行っていた。そのゲームでは、経費報告書の承認のように、Saphoポータルのような何かに対してネイティブにコーディングすることはなかった。実に奇妙なことだ。セキュリティの点では、全てのアプリケーションは社内Webアプリケーションと同じように扱えなければならない。全てのAPIを公開することも、デバイス上にデータを残すことも望まないだろう。
――労働力のどのような変化がモバイルアプリケーション開発のこのようなトレンドを後押ししていますか。
ヤレド氏 まず、優れたインタフェースが求められている。次に、そのインタフェースが機能することが望まれている。そして、モバイルでそのインタフェースを使えることが必要だ。最後に、モバイルでもデスクトップでも一貫性のあるインタフェースが望まれている。
例えば、ゴムのグリップが付いた缶切りがある。これはもともと高齢者用に作成されたものだ。それがどういうものかが分かれば、誰もが購入するようになる。缶切りは誰の手でも傷つける可能性があるからだ。当社は、企業ソフトウェアも同じだと考えている。「最初は若年層を満足させるために行った」。それを全員が気に入るようになった。「私も使いたい。なぜ、最初からこれを用意しなかったのか」と。
――GDPRを順守するために開発者が考えるべきことは何でしょう。
ヤレド氏 当社は(サードパーティー)システム全てから興味深いものを取り出し、それを1つにまとめている。こうした情報を全て統合するには、こうした情報を削除する方法やその情報を継承する方法についてAPIやドキュメントを追加しなければならなかった。例えばServiceNowから何かが削除されるとしたら、Saphoからも同様に自動的に削除することになる。当社は、データそのものだけでなく、その使用方法と保存方法にも常に真剣に考えている。GDPRは、当面IT業界で起きる最も重大なものだ。誰もが(セキュリティ)について真剣にならなければならない。
――モバイルアプリケーション開発でのセキュリティに関する最新のトレンドは他にもありますか。
ヤレド氏 バイオメトリクスと、当社が連鎖IDと呼ぶものがある。例えば、VMwareの「VMware AirWatch」を使用して、企業アプリケーションに指紋認証でログインするとする。すると、当社がその認証情報を当社のコンテナに渡し、Microsoftの「Active Directory」や例えばSalesforce.comの「Sales Cloud」などで個人を照合する。そこで認証されれば、Salesforceで閲覧が許可されているコンテンツが表示される。IDをシステム全体に安全に橋渡しするというのは、今まで全くなかったことだ。現在は、どの情報も完全にセキュリティ保護され、実際サイロ化されてもいる。全てをまとめるというのは、実に興味深い取り組みだ。
――市民開発者の多くが、ほぼあるいは全くコードを使用しないでモバイルアプリケーションを開発していると思いますか。
ヤレド氏 それは幻想だと思う。当社は開発者以外もサポートしている。それでも、Microsoftの「Power BI」やTableau Softwareの「Tableau」などは使用できなければならない。さらに、データ、セキュリティ、エンドユーザーがアプリケーションに求めることとの関係についても認識する必要がある。市民開発者とは、主に自分のためにアプリケーションを開発している開発者のことだ。だが、不特定多数の人に向けて何かを構築しようとすれば、ユーザーエクスペリエンスについての一定のスキルや考え方が必要になる。
今では見た目がネイティブアプリケーションのようなHTMLアプリケーションを作成できるようになっている。だとしたら、コードをあまり必要としないメリットはあるのだろうか。コードの少ないアプリケーションでも多くの要素を付け加えていけば、非常に複雑になっていく。そして、プログレッシブWebアプリケーションのフレームワークでプログレッシブWebアプリケーションを作成した方が良かったと思えるほどのトレーニングが必要になる。
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