注目技術の将来を予測
「テープストレージ」が見直される理由は“新しい役割”にある(1/2 ページ)
新たに生成されるデータの量は、今後数年間で数ゼタバイトに達すると予測されている。この膨大なデータの保存はどうすべきか。
テープストレージ(以下、テープ)は長い時間をかけて開発され、1つのカートリッジで数十テラバイトの容量が利用可能となった。そのため、フラッシュ、ディスク、クラウドの各ストレージと並んで、テープも重要な記憶媒体になりつつある。だが、テープ推進派でも、膨大なデータを処理するには他のストレージ媒体を併用した包括的な検討が必要だという。
2018年前半にLTO(リニアテープオープン)プログラムで発表されたテープ媒体の年間出荷レポートによると、2017年に出荷された圧縮テープストレージの総容量は10万8000P(ペタ)Bで、2016年に比べて12.9%の増加となった。これは2008年の出荷総容量2万PBの5倍を超える。
2017年後半に発表された「LTO-8」は、30TBの圧縮容量と12TBの非圧縮容量を持つ。圧縮、非圧縮容量ともに2015年に発売された「LTO-7」から倍増した形だ。ストレージ企業Spectra Logicによると、非圧縮容量12TBとは、映画8000本、音楽288万曲、写真714万枚に相当する。
テープの再台頭
IBM、Quantumと並ぶLTOベンダーであるHewlett Packard Enterprise(HPE)のローラ・ロレド氏(ワールドワイド・マーケティング・プロダクトマネジャー)によれば、LTO-8はさらなる容量増加が期待できるという。
情報メディア、エンターテインメント、化学産業の各業界では、データの長期保持用にテープを伝統的に使用してきた。ロレド氏は、近年新たなニーズが台頭していると指摘する。ビデオ監視のデータは長期保存のために、頻繁にデジタル化されている。他にも例えば、医療業界でも記録を頻繁にデジタル化して長期間保管するようになりつつある。
「デジタルコンテンツを大量に作成するシステムが安価になってきている。一方で解像度が高くなるにつれてデータ量は増加する。そのためテープは大量データを保存するコスト効率のよい方法になる」と、Quantumの製品ソリューション・マーケティングマネジャー、キーラン・マロニー氏は言う。
テープにはセキュリティのメリットもある。IBMのカルロス・カストロ氏(LTOマーケティング担当)は「テープはネットワークから本質的に分離しているため、空間的隔離(エアギャップ)を実現する」と語る。身代金要求型マルウェアの「ランサムウェア」がシステムに侵入した場合でも、接続していないテープにはアクセスできない。もし攻撃が実行されてもテープから障害復旧が可能だ。
「テープに戻ってくる顧客が増えつつある」とロレド氏は語る。
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