開発者から見たPaaS
PaaSの余りあるメリットと、注意すべきリスク 比較時に聞くべき質問とは(1/3 ページ)
適切なPaaS環境があれば、開発者は「正しく動作するアプリケーションを作る」という最も重要な点に専念できる。だが、PaaS環境は新しいリスクももたらす。特にロックインに関するリスクが生まれる。
アプリケーション開発は複雑な仕事なので、企業には適宜多くの難しい決断が迫られる。どのようなテクノロジーを使用すべきか。監視の対応はどうするか。APIは必要か、といった具合だ。
こうした決断はアプリケーションの構築方法を決定付ける。だが、そのためにはアプリケーションを実行する基本的なシステム構成(アーキテクチャ)や開発基盤も必要だ。多くの企業はアプリケーションの開発、導入、拡張で避けられないオーバーヘッド(負担)を減らそうとして、PaaS(Platform as a Service)を利用している。
ただし、開発チームは注意が必要だ。PaaSには長所もあれば、短所もある。
PaaSベンダーが提供する機能
PaaSの主な目標は、アプリケーション開発におけるインフラのオーバーヘッドを最小限に抑えることだ。だが、多くのPaaSベンダーはアプリケーションの構築と管理におけるオーバーヘッドを軽くする機能も提供する。Amazon Web Services(AWS)やMicrosoftの「Microsoft Azure」のような大手パブリッククラウドベンダーに加え、小規模だったり専門分野に特化したりする他の多数のPaaSベンダーも含まれる。機能はベンダーごとに大きく異なるが、それらは全て同じ一般的な目標の実現を目指している。つまり、アプリケーション開発ライフサイクルを開発者が迅速かつ効率的に管理できる、利便性の高い基盤を提供することだ。
その結果として、PaaS製品に期待される重要な機能には次のようなものがある。
アプリケーションインフラ
多くのPaaSベンダーは、アプリケーションのホスティングからストレージ、データサービスなどさまざまな機能を提供する。これらはいずれも、アプリケーションを正常にリリースして運用するためにこれまで必要とされてきた管理作業を大幅に削減する。こうしたインフラ基盤が特に役立つのは、開発者のアプリケーションが広範囲に影響を及ぼすもので、大量の部品(コンポーネント)、例えばロードバランサー、ファイアウォール、非同期メッセージサービス、データ分析ツールなどを必要とする場合だ。
開発基盤
強固な開発基盤もPaaSベンダーが提供する機能の一つだ。PaaSでは一般的な開発タスクが一部抽象化される。そのため、開発チームは組み込み型ソフトウェアのコンポーネントを使用することで、より安定したアプリケーションを構築できる。こうした抽象化には、機械学習のサポート、ビッグデータのサポート、ネットワーク機能などがある。こうした抽象化によって確立されたフレームワークを基盤に構築することで、開発者は比較的小さな労力で強力なアプリケーションを作成できる。
テクノロジーサポート
多くのPaaSベンダーは、プログラミング言語などのテクノロジーをサポートする。ベンダーごとに差はあるものの、このサポートには現時点で使われている最も人気のテクノロジーが含まれるのが一般的だ。例えば「Node.js」、Googleの「Go」、オープンソースの「PostgreSQL」「MongoDB」などだ。これにより、開発プロセスを遅らせることのない、すっきりとしてシームレスな環境が実現できる。
導入ワークフロー
アプリケーション導入は、難しいプロセスになることがある。それぞれ固有の構成要件があるため、多くのPaaSベンダーは単一コマンドによる導入ワークフローを提供している。こうしたワークフローは、他のホスティング手法で従来見られるものよりもずっと単純なものだ。
アプリケーション管理ツール
開発チームにとって時間のかかる別のタスクとしてアプリケーションの管理がある。その労力を減らすために、PaaSには通常さまざまなアプリケーション管理機能が含まれている。手動でのバックエンドリソースの拡張から、チームメンバーのアクセス管理まで対応する。
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