「Windows Server」「Linux」を6つの視点で比較 何が違うのか?:セキュリティやクラウド対応状況などをチェック
データセンターにおけるサーバOSの選定については、「Windows Server」と「Linux」が有力な選択肢となる。いずれについてもベンダーのサポートとコスト、機能を見極めることが必要だ。
データセンターでは、サーバOSとして「Windows Server」「Linux」が併用されている。変化するワークロード(アプリケーションの動作負荷)にとって、どちらが最善のサーバOSなのか。Windows ServerとLinuxのどちらが適切かを正しく見極めるためには、それぞれの機能やハードウェア条件、安定性、クラウド対応、セキュリティ、コスト、サポートの選択肢に目を向ける必要がある。
必要なのはクラウドでの利用を想定したサーバOSなのか。アプリケーションには特定のハードウェア要件があるのか。Windows Serverは当分の間、消え去りはしない。ただしアプリケーションがクラウドでの稼働を想定したアーキテクチャへと移行する中で、Windows ServerはLinuxに道を譲りつつある。
これまで組織は、データベース管理やWebサーバ管理、顧客関係管理(CRM)といった用途でLinuxサーバを導入してきた。一方でMicrosoftは、管理がしやすく、それほどトレーニングしなくても使用できるオールインワンOSとしてWindows Serverを売り込んでいる。ただしLinuxも多目的OSとして利用できる。どちらのサーバOSが自社のニーズに適しているかを知ることが大切だ。
本稿では、以下の6つのポイントでWindows ServerとLinuxを比較する。
- 安定性
- クラウド対応
- コスト
- セキュリティ
- ハードウェア要件
- 互換性とベンダーサポート
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比較ポイント1:安定性
Linuxは、Windows Serverにはない安定性で定評があった。だが、それは古い認識だ。欠陥があるハードウェアドライバは、Windows ServerでもLinuxでも障害を起こす。安定性に関する古い認識を基にサーバOSを選んではいけない。一般的なサーバの用途を想定する限り、Windows ServerとLinuxの安定性は同じレベルにある。
「Windows NT Server」「Windows 2000 Server」のような旧型のWindows Serverは、グラフィックスドライバやWebサーバソフトウェア「Internet Information Services」に関する安定性の問題があった。現在のWindows Serverは、サーバOSとしての成熟度が増している。
安定性向上の一因は、Microsoftが徐々にセキュリティを向上させたことや、新しいバージョンごとに「フェールオーバークラスタリング」のような可用性向上機能を搭載してきたことにある。同社は厳格なテストに基づいてサーバハードウェアの能力を保証する認定プログラムを実施している。
比較ポイント2:クラウド対応
LinuxもWindows Serverも、クラウド環境での動作を想定している。LinuxではIaaS(Infrastructure as a Service)構築ソフトウェアの「OpenStack」が利用できる。MicrosoftもWindows ServerをクラウドOSとして売り込んでいる。
Microsoftのクラウドサービス群「Microsoft Azure」は、Windows Serverのサーバ仮想化機能「Hyper-V」をベースに構築されている。同社のオンラインオフィススイート「Office 365」は、Windows ServerやHyper-V環境で稼働可能だ。Amazon Web Services(AWS)やRackspace、Googleといった主要ベンダーのクラウドサービスでも、顧客は仮想マシン(VM)のOSとしてWindows Serverを使用できる。
比較ポイント3:コスト
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