2019年、CIOの要注目トレンドはEverything as Code(EaC)、そしてAI:音声、UX、クラウドなども動向も確認
最高情報責任者(CIO)は、顧客のため、従業員のため、会社のために、最上級のユーザーエクスペリエンスを提供すべくその役割を遂行しなければならない。
2019年、最高情報責任者(CIO)の前にさまざまな課題やチャンスが新たに待ち受けている。業界を主導するアナリストの予想では、クラウドへ移行がさらに進み、ユーザーエクスペリエンスにより重点が置かれ、開発チームからITインフラに至るまで、より良いコード管理の手法が浸透する見通しだ。そうしたトレンド全ては、企業の現場におけるAI(人工知能)技術の普及や、データサイエンスの進化の結果として起こり得るものだ。2019年にCIOが果たすべき役割について、6人の専門家に意見を聞いた。
音声インタフェースがユーザーエクスペリエンスの要に
TMA Associatesの社長、ウィリアム・ミーゼル氏
企業がビジネスに効果的なWebサイトを必要としているのは明らかなことだ。企業がWebサイトを持つことが、受け入れられにくかった時代のことを思い出すのは難しいが、その時代は実際にあった。ある技術が普及する前の初期段階ではこうしたことがよくある。現在起きていることを考えれば、将来的にあらゆる企業が人の言葉を使ってコミュニケーションできる、社名を背負ったデジタルアシスタントを必要とする時代が来るだろう。企業のデジタルアシスタントは、モバイルデバイスや、「Alexa」のようなパーソナルアシスタントを介して利用できるようになる。
またユーザーエクスペリエンス向上のために音声インタフェースに期待が集まるようになるだろう。その時、CIOは音声を使った顧客とのコミュニケーションに関する責任を負わなければならなくなり、社内ではソフトウェアの利用や社員同士のコミュニケーションを支援する従業員向けのデジタルアシスタントに業務効率が左右されるようになる。このトレンドは自然言語理解の技術進歩がけん引し、コンピュータ処理能力の向上がそれを後押しする。
こうした大きな流れに対して、CIOはデジタルアシスタントを活用する戦略を立てる必要がある。その際、以下の点を考慮しなければならない。
- CIOは外部の企業やクラウドサービスに完全に依存したいのか、それともデジタルアシスタントの中核的な機能の一部を会社のコンピューティングシステムに組み込みたいと考えるのか。
- 音声インタフェースの進歩は、人材の採用においてどんな意味があるのか。
- この流れに対処するために踏み出すべき最初の1歩は何か。
1つ重要なこととして、製品やサービスの新しい技術が登場した際に、すぐにそれを活用できるように、デジタルアシスタントの技術を活用する体制を構築しておく必要がある。
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