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Windows Serverのレガシーアプリを「Docker」に移行、製造受託大手が直面した課題は古いシステムとのギャップをどう埋める?

「Docker」を使い、「Windows Server」のレガシーアプリケーションをモダナイゼーションしようとする企業が直面する課題とは何か。製造受託大手Jabilの事例から探る。

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 企業のIT部門はコンテナ型仮想環境構築ツール「Docker」を利用し、サーバOS「Windows Server」で稼働するレガシーアプリケーションのモダナイゼーション(現状に合わせた最適化)を進めつつある。だがDockerが、ITスキルの観点において障壁になることがある。

 商用版Dockerである「Docker Enterprise Edition」のバージョン2.1は、「Windows Server バージョン1709」と「Windows Server バージョン1803」を動作環境に含む。これにより2018年11月現在の最新安定版である「Windows Server 2016」で、コンテナオーケストレーションツールを利用できるようになった。Windows Server バージョン1709/バージョン1803は、いずれも「Semi-annual Channel」(半期チャネル)という更新チャネルで提供されるWindows Serverのバージョン。Docker EEバージョン2.1は、以前はなかったWindowsコンテナ用の仮想IPベース負荷分散などの機能を備える。

 このアップデートに併せてDocker社は、いまだに古いバージョンのWindows Serverを運用している企業のIT部門に対して、Windows ServerでDockerを利用するための専門知識を売り込んでいる。具体的な対象は「Windows Server 2003」と「Windows Server 2008」を運用している企業だ。前者は2015年にMicrosoftのサポートが終了し、後者は2020年1月に延長サポートが終了する。

 Docker社は、2017年にレガシーアプリケーション向けの総合プログラム「Modernize Traditional Applications」(MTA)を提供開始した。2018年11月からはWindows Serverのアップグレードに狙いを定め、Windows Serverアプリケーション移行プログラム提供している。このWindows Serverアプリケーション移行プログラムは、同社の専門家によるサービスと、アプリケーション変換ツールおよび参照用アーキテクチャを組み合わせ、Windowsのコンテナ化を実現する。同社は、Windows環境におけるコンテナオーケストレーションを実現するために、2014年にMicrosoftと初めて手を組んだ。それ以来、Windowsコンテナの開発を支援している。

企業におけるDockerへの移行事例

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