大学の計算センターが「毎月2PB増えるストレージ」を刷新 最大の課題は:大規模アーカイブを支えるテープストレージ事例【前編】
大規模アーカイブシステムの容量管理に頭を悩ませていた、テキサス大学オースティン校のテキサス先端計算センター(TACC)。管理者が「人生で最大規模」と語る移行プロジェクトで、最大の課題に挙がったことは何か。
University of Texas at Austin(テキサス大学オースティン校)のTexas Advanced Computer Center(TACC:テキサス先端計算センター)では、5万人のユーザーが毎月約2ペタバイトのデータを生成し、180万個のファイルをストレージに保存している。TACCはこうした現状に対処するため、ユーザーにストレージ容量を厳密に割り当てる方法を必要としていた。そして、サポート人材をきちんと見つけられるシステムを持っておく必要があった。
TACCは古いOracle製品の環境を廃止し、DataDirect Networksの分散型RAID技術「SFA Declustered RAID」(DCR)を搭載したブロックストレージシステム「SFA14K」と、Quantumのテープライブラリ「Scalar i6000」に移行した。新しい保管ポリシーを策定することで、アップロードデータの増加と独自のテープ形式による諸問題を解決できた。
QuantumのScalar i6000は「管理が非常に容易で、厳密なクオータ(共有ストレージの上限容量)管理機能が利用できる」と、TACCの大規模アーカイブシステム「Ranch」の管理を担う上級システム管理者、フランク・ドウマ氏は述べる。TACCではユーザーコミュニティーにルールを課しているため「ユーザーが勝手に何でもアーカイブすることはない」(ドウマ氏)。
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