保険会社がレガシーアプリのモダナイゼーションになぜ「EA」を使うのか?:クラウドを生かすモダナイゼーション【後編】
クラウドを利用したアプリケーションのモダナイゼーションを進める保険会社Helvetia Insuranceは、エンタープライズアーキテクチャ(EA)ツールを活用している。なぜEAツールを活用するのか。得られた効果とは。
多国籍保険会社Helvetia Insurance(以下、Helvetia)は、レガシーアプリケーションのモダナイゼーションに取り組んでいる。そのためにはアプリケーションの全コンポーネントの依存関係を明らかにし、インタフェースを改修しなければならない。
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Helvetiaは、アプリケーションのアーキテクチャやポートフォリオの管理に、エンタープライズアーキテクチャ(EA)ツール「LeanIX」(画面1、2)を使用している。その目的は2つある。一つはアプリケーションのデータと依存関係の現状を可視化すること。もう一つは手を入れるべき箇所を図示して、段階的なモダナイゼーションのロードマップを得ることだ。
「LeanIXは優れた機能を持ち、使いやすいツールだ」と、Helvetiaのエンタープライズアーキテクトであるトビアス・フォーゲル氏は評価する。同社は、ワークフロー自動化サービス「ServiceNow」などのIT管理ツールと連携させるためにLeanIXのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を利用している。ベンダーであるLeanIX社によれば、LeanIXのAPIやWebhook(複数のWebサービスを連携させる仕組み)といった機能は、ITインフラ、システム運用、CI(継続的インテグレーション)/CD(継続的デリバリー)、ドキュメント策定、意思決定に活用できるという。
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