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「SAP S/4HANA」導入大学のSIer選びと“脱オンプレミス”の決め手とは?コロナ禍の大学ERP導入事例【中編】

「SAP S/4HANA」を活用して基幹システムの刷新に取り組んだペンシルベニア州立大学。システムインテグレーターやインフラの選定をどう進めたのか。その決め手は。

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 プログラミング言語「COBOL」で開発した手組みの基幹システム「IBIS」(Integrated Business Information System)の刷新に取り組んだPennsylvania State University(ペンシルベニア州立大学)。同校が新基幹システムの中核要素として採用したのが、SAPのERP(統合業務)パッケージ「SAP S/4HANA」だ。

 ペンシルベニア州立大学はSAP S/4HANAの採用を決定した後、新基幹システム「SIMBA」(System for Integrated Management, Budgeting and Accounting)構築プロジェクトを始めた。この段階で同校が契約したシステムインテグレーター(SIer)は、公共セクターの案件を中心に手掛けるSAPのパートナー、LSI Consultingだった。

 「SAP S/4HANA導入プロジェクトを成功させる上で、LSI Consultingとの関係は不可欠だった」。ペンシルベニア州立大学の金融・ビジネス担当シニアバイスプレジデント、デービッド・グレー氏はこう語る。

SIer選びと“脱オンプレミス”の決め手とは

 ペンシルベニア州立大学はSAP S/4HANAを取り扱った経験がなかった。一方で人事・給与管理を担うWorkdayの同名SaaS(Software as a Service)、学生情報管理を担うOracleのERPパッケージ「Oracle PeopleSoft Applications」といった学内で利用している他のシステムとSAP S/4HANAを連携させる必要があった。「SAP S/4HANAの内側と外側を知っているパートナーが必要だった」とグレー氏は言う。

 「多数のプロジェクト管理を協調的に推し進め、システム連携のあらゆるポイントを事前に理解し、適切に設計できるようにする上で、極めて効果的な導入パートナーだった」。グレー氏はLSI Consultingをこう評価する。

 ペンシルベニア州立大学は、Microsoftのクラウドサービス群「Microsoft Azure」を使ってSIMBAを運用することも決めた。これは「自前でサーバを保有・運用することから離れる」という同校の決定に従う措置だった。

 「われわれの中核事業は学生の教育と最先端の研究であり、システムの開発やサーバ群の運用ではない」とグレー氏は強調。SIMBA開発の初期段階から「可能な限りクラウドサービスを使ってホスティングすることが望ましいと考えていた」と説明する。

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