「Chromebook」を安全にする「確認付きブート」「自動更新」「サンドボックス」とは?:「Chromebook」のセキュリティ機能を学ぶ【中編】
「Chromebook」はさまざまなセキュリティ機能を備える。その中から「確認付きブート」「自動更新」「サンドボックス」をざっくりと解説する。
GoogleのOS「Chrome OS」を搭載したノート型デバイス「Chromebook」は、多層型のセキュリティモデルを採用しており、さまざまな機能がセキュリティにおいて価値をもたらす。以下にChromebookを扱うIT管理者が知っておくべきセキュリティ機能を列挙する。
- 確認付きブート
- 自動更新
- サンドボックス
- Powerwash(後編で紹介)
- ネットワークセキュリティ(後編で紹介)
- データ暗号化(後編で紹介)
併せて読みたいお薦め記事
Chromebookの業務利用を検討する
- Chromebookというもう1つの選択肢 iPhone世代がブラウザベースのOSを支持する理由
- 「Chromebook」を買うべき人、買って後悔する人を分ける条件
- 着実に進む「Chromebook」の仕事マシン化に気付いているか?
シンクライアントPCとしてのChromebook
1.確認付きブート
起動時にChromebookは「確認付きブート」(Verified Boot)というセルフチェックを実行する。OSやアプリケーションの改ざんや破損を検出すると、自動的に修復する仕組みだ。
「Windows」の場合、OSの読み込み時に問題が発生してクラッシュすることがある。IT管理者は
- クラッシュの解析
- 更新プログラムの適用
- ドライバの更新、消去、再読み込み
といった作業に追われることになる。Windowsには、システムを特定の時点の状態に戻す機能「復元ポイント」もある。ただし復元ポイントの内容に不具合があったり、さかのぼり過ぎてデータ損失を引き起こしたりすることもある。Chromebookは基本的にローカルにデータが存在しないため、常に最新の状態を保つことができる。
2.自動更新
Chromebookで利用できるアプリケーションは、基本的にはGoogleが管理するアプリケーションストア「Chrome Web Store」を通じて配信される。Chromebookは起動するたびにOSとアプリケーションの最新版をデバイスにダウンロードする。この仕組みによって、エンドユーザーは確実に最新のOSとアプリケーションを利用できる。
エンドユーザーに更新プログラムを適用してもらう場合、更新プロセスの不備による未修正の脆弱(ぜいじゃく)性がマルウェアの標的になることがしばしばある。Chromebookは、エンドユーザー自身による更新プログラム適用を前提としておらず、更新の不備による問題が起こりにくい。
3.サンドボックス
Chromebookは「サンドボックス」という仕組みを持つ。WebページやアプリケーションをOS内の隔離領域(サンドボックス)で動作させ、他のプロセスから切り離す。もしWebページやアプリケーションに不審な挙動があれば、単純にそれを閉じるだけで被害の発生を食い止めることができ、デバイス内の他の要素に及ぶ影響を抑えることが可能だ。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.