“コロナ鬱”をITでどう防ぐのか? 会計事務所やRPA企業に聞く:IT活用で“ニューノーマル”の人事課題をどう解決するか【後編】
成人の約80%がパンデミックに起因したストレスを抱えていることが、米国心理学会の調査で明らかになった。疲れ切った従業員の心身の健康を企業はどう守ればよいのか。対策となり得るITと、その活用事例を紹介する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的流行)は、精神面や感情面の健康に大きな打撃を与え、危機的状況を生み出している。本連載は、COVID-19がもたらした“ニューノーマル”(新常態)において人事部門が「従業員エクスペリエンス」(従業員体験価値)を高めるにはどうすればいいかをITの観点から探ってきた。前編「『チャットbot』でコロナ禍の人材獲得を効率化 アパレル企業はなぜ成功した? 」、中編「『キャリアの不透明さ』が退職理由の5割 電機大手は「AI」で状況をどう変えたか」に続く後編となる本稿は、人事部門が抱えがちな課題「従業員の心身の健康維持」について、2つの 企業の例を交えて紹介する。
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2020年8月に米国心理学会(APA:American Psychological Association)が、米国の18歳以上の成人3409人を対象に実施した調査では、回答者のうち78%が「パンデミックが大きなストレス源になっている」、つまり“コロナ鬱”の状態にあると答えた。半数以上の回答者は疲れを感じており、ストレスの要因を複数挙げている。例えば仕事と家庭に境目がないこと、手に負えない仕事量、雇用保証に対する懸念などが挙がっている。
米国疾病予防管理センター(CDC:Centers for Disease Control and Prevention)は幾つかの報告書で、薬物乱用の増加や自殺念慮などの厳しい実情を記載している。特に子どもなどの傷つきやすい集団について、重大な精神的健康への影響を報告している。
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