新しいオフィスと働き方を探る【前編】
テレワーク推進のジョンソン・エンド・ジョンソンが「会議室こそ重要」と考える訳
Johnson & Johnsonはコロナ禍を契機にテレワークに軸足を移し、必要なコミュニケーションツールを導入した。同社が将来の仕事場の姿を模索するに当たって、「会議室」の在り方が重要だと考えた理由は。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が起きたとき、Johnson & Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)はテレワークの推進を決断した。遠隔でのコミュニケーションとワークフローを可能にするために、それから12カ月でコミュニケーションツールを刷新。ユニファイドコミュニケーション(UC)システムをMicrosoftの「Skype for Business Online」から「Microsoft Teams」に移行し、Zoom Video CommunicationsのWeb会議ツール「Zoom」を導入した。
従業員が新常態に慣れるにつれ、優先事項は将来の「ワークプレース」(現実の仕事場やオンラインの仕事場)を運営する最善の方法を見つけることに移っている。従業員の一部がオフィスに戻り、同時に一部がテレワークを続けるのが、将来のワークプレースの日常風景になる。
「新しい働き方のモデルはどのような姿になるか、を理解することが課題だ」と、Johnson & Johnsonでユーザーエクスペリエンスおよび組織変更管理部門のディレクターを務めるマーク・バンガーター氏は話す。テレワークとオフィスワーク、そして両者を組み合わせた働き方「ハイブリッドワーク」をどの程度取り入れるべきか、適切な比率は誰にも分からない。バンガーター氏も、この比率は今後2~3年は変化し続けると考えている。企業は、これら3つの働き方の適切な比率を決める必要がある。
本稿は2021年3月に音響メーカーEPOS Groupが開催したオンラインイベント「Enterprise Connect Virtual」における講演を基に、これからのワークプレース戦略について考察する。
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ジョンソン・エンド・ジョンソンが「会議室」を重視する理由
理想的なハイブリッドワークを実現するためには、まず会議室に注目すべきだとバンガーター氏は考えている。パンデミックが起きる前、遠隔地からの会議出席者は電話で参加しており、会議室に出向く従業員と比べると不便を被っていた。遠隔地の参加者が実際に会議室にいるかのように感じさせることが課題だった。
「会議に参加する全員が等しく関われることが重要だ」とバンガーター氏は話す。Johnson & Johnsonは約60カ国のオフィスに数千個の会議室を擁する。同氏はこれらの会議室に導入する新たな技術や製品の選定に携わっている。パンデミックに伴い閉鎖中のオフィスを利用し、Web会議の使いやすさや効率を上げる設定を模索しながら、会議室を段階的にアップグレードしている。
ハイブリッドワークを採用し、チームの所在地が分散するにつれて、「対面式の会議はWeb会議に置き換わっていく」と、調査会社Metrigyでアナリストを務めるアーウィン・ラザー氏は話す。適切な装置を導入して会議室を最適化したり、大きな会議室を複数の小さな会議室へと変えたりすることも必要だ。
「会議室は進化しなければならない」とラザー氏は強調する。「15人が会議室に入り、テーブルの中央にはコーヒーポットがあり、1日中会議室に閉じこもるといったスタイルに再び戻ることは恐らくない」(同氏)
従業員がオフィスワークを再開するときにWeb会議ツールが必要になると想定して、会議室にカメラやマイクなどの機器を追加で設置している企業もある。「オフィスワークに戻ったとしても、自分のデスクから会議に参加したいと考える従業員もいるためだ」とラザー氏は話す。
中編はハイブリッドワークの新しいトレンドを解説する。
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