ローコード開発ツール「Power Apps」で“使われるアプリ”を作る秘訣:「Microsoft Power Apps」を使いこなす6つのヒント【前編】
「Microsoft Power Apps」はプログラミングの専門知識がなくてもアプリケーションを開発できるツールだ。エンドユーザーのニーズに合ったアプリケーションを作るためのヒントを紹介する。
アプリケーション開発ツール「Microsoft Power Apps」は、ソースコードの記述なし、または最小限のソースコード記述のみでアプリケーションを開発できるノーコード/ローコード開発ツール群だ。サブスクリプション形式のオフィススイート「Microsoft 365」(Office 365)で作成したコンテンツを操作するためのさまざまなアプリケーションを開発できる。こうしたアプリケーションの例には
- リスト形式のタスク管理ツール「Microsoft Lists」で作成したリスト
- 社内ポータル作成ツール「SharePoint」で作成したWebサイト
などがある。
Power Appsはアプリケーション開発による課題解決を後押しする。企業はソースコードをほとんど記述せずに、モバイルアプリケーションやWebアプリケーションを開発できる。デバイス内蔵カメラ、GPS(全地球測位システム)、タッチ機能といったハードウェアに備わる機能も活用可能だ。
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企業がPower Appsでアプリケーションを開発する際は、優れたユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)の提供と、保有するコンテンツを効率的に操作する方法に関するベストプラクティスに従うとよい。以下で紹介するPower Appsアプリケーション開発の6つのベストプラクティスを実践することで、ビジネスに良い影響を与え、エンドユーザーに使ってもらえるアプリケーションを開発しやすくなる。
1.「エンドユーザー」を理解する
開発者は、アプリケーションが解決すべき課題を特定する必要がある。その上で、エンドユーザーが「アプリケーションで何をしたいのか」を判断しなければならない。要件をまとめたドキュメントからこれらの情報を読み取り、アプリケーションの機能やターゲットとなるエンドユーザーに対する明確な目標を設定する必要がある。
2.“車輪の再発明”をしない
新しいPower Appsアプリケーションを開発する前に、同様の機能を持つアプリケーションが既に市場にあるかどうかを確認することは重要だ。開発を計画しているPower Appsアプリケーションと同様の機能や、より優れた機能を提供する格安のアプリケーションを、AppleやGoogleのアプリケーションストアで入手できる場合、開発しようとしているアプリケーションが無駄になりかねない。例えば経費精算アプリケーションは、人気のある無料のアプリケーションが市場に出回っている。
3.Power Appsで「できること」と「できないこと」を理解する
Power Appsアプリケーションは幅広いデータ操作機能を搭載できる。リレーショナルデータベースやオンラインデータリポジトリなどのさまざまなデータソースに接続して、データのCRUD(作成、読み込み、更新、削除)操作を実行可能だ。GPSで取得した座標や、デバイスのカメラで撮影した写真など、デバイス内のデータを操作、取得することもできる。
後編は、残る3つのベストプラクティスを紹介する。
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