いまさら聞けない「Power Apps」の基礎 何に役立つのか?:「Microsoft Power Apps」利用時の10大注意点【前編】
ローコード開発ツール群「Microsoft Power Apps」を使うことで、企業はさまざまなフォームやWebサイトを作成できる。具体的な用途を解説する。
「Microsoft Power Apps」は、オフィススイート「Microsoft 365」(Office 365)で利用できるノーコード/ローコード(ソースコードの記述なし、または最小限のソースコード記述のみ)の開発ツール群だ。Microsoftはノーコード/ローコードツール群「Microsoft Power Platform」の構成要素として、Power Appsを提供している。
企業はPower Appsを使うことで、数値入力フィールドやドロップダウンリスト、チェックボックス、日付入力フィールドなどを持つフォームを作成できる。フォームのレイアウトをモバイルデバイス向けに自動調整するレスポンシブルデザインも適用可能だ。
コネクターを利用すればMicrosoft 365や「Microsoft Azure」「SharePoint」「Power Automate」などのMicrosoft製品の他、Adobe、Amazon.com、Dropbox、Google、Salesforce.com、Zendeskといったサードパーティーベンダーの製品やサービスとも連携できる。2026年にサポート終了を迎えるフォーム作成ツール「Microsoft InfoPath」を利用している企業にとっては、その後継としてPower Appsを導入する選択肢がある。
「Power Apps」は何に役立つのか 主要な用途一覧
Power Appsの用途には次のようなものがある。
- ドキュメントのメタデータを取得するフォーム
- 例としてタイトル、テーマのタグ、日付別のレビュー、種類(契約書、発注書、オフィスの間取り図、予算計画、プロジェクト計画など)がある。
- 自社製品のメタデータを取得するフォーム
- 例として名称、価格、カテゴリー、レビュー、属性(色、重量、サイズなど)がある。
- ドキュメントの変更に対する確認と承認のフォーム
- 例としてドキュメントの下書きから最終版への変更、製品カタログへの掲載の承認と却下がある。
- 業務アプリケーション用の既存フォームの改良や新規フォームの作成
- 例としてERP(統合業務)システム、CRM(顧客関係管理)システム、倉庫管理システム、コンテンツ管理システム(CMS)などがある。
- 業務アプリケーションにもともとフォームがない場合に役立つ。
- パーソナライズされたWebサイトの作成
- 例として製品サポート、FAQ(よくある質問とその答え)サイトなどがある。
- この使用例ではWebサイト作成ツール「Power Appsポータル」を活用できる。Power Appsポータルで作成したWebサイトは、データ管理ツール「Microsoft Dataverse」(旧「Common Data Service」)内のデータにエンドユーザーが安全に匿名でアクセスできる。
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Power AppsだけではないPower Platformのツール
Power Platformを構成するサービスには、Power Appsの他に「Power Automate」「Power BI」がある。
旧「Microsoft Flow」から名称変更したPower Automateはプロセス自動化ツールだ。ドキュメント変更時にメールを自動送信する、複数のサービスやアプリケーション間でデータを取得・更新するといったさまざまな操作を自動化できる。Power Apps同様、Power AutomateもMicrosoftおよびサードパーティーベンダーの製品/サービスと連携可能だ。
Power BIはさまざまなデータを可視化して、ダッシュボードやレポートに表示する。企業は可視化結果を操作することで、データに対する洞察を得ることができる。
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